光の消失
「先生、彩歌は?」
「・・・過労、だそうよ
あと、精神的ストレス」
受話器を置いた保険医
「貴方達、白鷺さんと同じ部活よね?」
「はい」
「最近、何かなかった?
部内でも部外でもいいわ
彼女が思いつめてるようなこと」
「・・・いえ
わかりません」
「そう・・・
もういいわ」
黙礼して、保健室を出た。
重い沈黙が俺らの間を満たす。
「・・・あの」
「何だ黄瀬」
「俺、前に相談されたことがあったんス
その・・・・・・彩歌っち、に」
「何て」
「もし私達がバラバラになっちゃったらどうする?
・・・・・・・・・って」
沈黙が続く
ドンと壁を叩いた重い音が響く。
光の消失俺達はバカだったんだ。
誰よりも彼女の傍にいながら
誰よりも彼女の事を判っていなかった。
光は自分達で手放してしまった。