2、視聴覚室で確認する 【PS追加END謎の女の子】 | ナノ
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タイトルがないだけに、なにか素晴らしいものが入っているかもしれない。
そんな期待が湧いたんでしょう。

彼は我慢できなくて、すぐに視聴覚室に行ったんです。
「まあ、たいしたことないんだろうけど……」
そう思って、テープをビデオデッキに入れました。

ビデオテープには何の変哲もない学校の風景が写っています。
「なんだー、ホームビデオの取りそこねか」
そう思って、テープを抜き帰ろうとした時です。

「あれ、僕が写っている……。
いつ撮ったんだろう」
彼は気になって更に見続けました。

画面の中の学校は夜になっています。
そして、画面の中の彼は、女の子と会っているんです。
映像はそこで終わっていました。
(おかしいな、僕はこんなことしていない、僕じゃないのかな)

その映像の日付は今日の夜中になっています。

(もし、未来が写るビデオテープだったら)
彼も、映画の見過ぎですね。
すぐにこんな考えが浮かぶなんて。
それで、夜に学校へ行ったんですよ。

夜の学校って無気味ですよね。
生活感がないっていうか、特殊な空間ですから。
でもね、時田君は楽しみにしていた映画を見に行くような感じで、学校に向かったんです。
彼は学校に着くと、あのビデオテープに写っていた場所に行きました。

そして、しばらく何かが起こるのを待っていたんです。
フッと生あったかい風が吹きました。
「なんか、気味悪いな」

時田君がその風に気に取られている隙に、ビデオに写っていた場所に女の子が現れたんです。
(あれ、いつの間に現れたんだろう)
そして、時田君は迷うことなく、彼女の方へ向かいました。
すると、女の子は、
「こんばんは」

そう語りかけてきたんです。
彼は映画の中に入り込んだ気分でした。
「さあ、いきましょ」
その子は、そういいました。
「えっ、どこに……」
「台本ではそうなっていたでしょ」

彼は、この映画の中に入っているような充実感を、失いたくありませんでした。
時田君は彼女について行ったんです。

その日から、彼は行方不明になりました。
そして、警察に捜索願いがだされたんです。
しかし、彼の行方はわかりませんでした。
一応、家出ということになったんです。

僕も彼にビデオを撮ってあげていたんですが、しばらくして、違うテープを渡していたのに気付いて、取りにいったんですよ。

こんな時に、非常識だとは思いましたが、ちょっと大事なテープだったんです。
彼の部屋に通してもらい、テープを探しました。
僕のテープはラベルを張っていなかったので、ラベルのないテープを中心に探しました。

何本か探し出すと、一本一本確認したんです。
そして、二本目を見たときです。

「あれ、時田君だ」
時田君が学校で女の子と会っているビデオでした。
彼は女の子に導かれ旧校舎に向かったんです。

彼等が旧校舎に入ると、フッと女の子が消えたんです。
ビデオの中の時田君は、旧校舎の中を探しまわりました。
そして、二階の教室に来た時です。

女の子が立っていました。
彼女は大鎌を持っていたんです。
そして、大鎌は彼の首へ振り下ろされました。

彼は殺されたんです。
ビデオは終わりました。

僕は自分のテープを探すのも忘れ、家に帰ったんです。
彼はビデオテープの中に引き込まれたのか、それとも本当に旧校舎で殺されたのか、僕にはわかりません。
ビデオの場所に行くと時田君が死んでいるんじゃないか、そんな考えも浮かびます。

僕は怖くて確認していませんが。
倉田さん、もし勇気があるのなら確認してきたらどうですか。
時田君の死体が無かったら、彼はビデオテープの中で殺されたということになるかもしれませんね。

もっと、いい特集が組めると思いますよ。
えっ、ビデオテープですか。
その後どうなったかはわかりません。
僕の話はこれで終わります。
次の方、お願いします。


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