1、飼う【PS追加END最後のチャンス】 | ナノ
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「飼うわよ。飼えばいいんでしょ」
彼女達はそう答えました。
「ありがとう……」

武田さんは答えると、フッと猫もろとも消えてしまいました。
そして、そこには数匹の猫が残されていたんです。
「ね、猫……」
「ど、どうしよう」
「でも、約束を守らないと……」

彼女達はそれぞれ、一匹ずつ連れて帰りました。

しばらくの間、彼女達は恐れもあり、一緒懸命世話をしたんです。
ある時、そのうち一人の子が、大切にしている洋服を猫に破られてしまいました。
彼女は猫を外に連れ出すと、乱暴に捨ててしまったんです。
「なによ、こんな猫」

そして、帰り道、彼女はトラックにひかれてしまいました。

しかも、頭を踏みつけにされて。
捨てられた猫はその場所にくると、脳髓をペロペロと舐めていたそうです。

その話を聞いて、残ったメンバーは自分達にも死が迫っているのを感じていました。
既に猫を家から追い出していた子は特にです。
「もっと早く、彼女が猫を捨てていれば、私は猫を追い出したりしなかったのに……。
あの時だって、私は武田さんをいじめなかったわ。

そ、それなのに何でこんなめにあうのよ。
そうよ、先頭にたっていたあいつが死ねばいいのよ」
彼女は部屋の隅で足を抱えがたがた震えていました。
そして、スッと立つと、電話をかけ、家を出ていったんです。

彼女は公園に行きました。
公園には、さっき彼女が呼び出した友達が待っていました。
彼女は友達の背後にゆっくり回ると、石を持ち上げて、友達の頭に振り下ろしたんです。

「あんたが死ねば私は助かるのよ……」
彼女がたたずんでいると、どこからともなく猫が集まってきました。
そして、地面に倒れている子の血を舐めはじめたんです。
しばらく漠然と眺めていましたが、恐怖がつのりその場を立ち去ろうとしました。

「な、直子……」
背後には武田さんが立っていました。
武田さんは猫のような目をして無気味に笑うと、大きな鎌のような物で彼女の首を跳ね飛ばしたそうです。

それから、猫を連れ帰った女の子たちは、工事現場で落下物に頭をつぶされたり、ドアガラスに頭から突っ込んだりして、次々と変死を遂げました。
なぜそんな目にあったのかは、想像するしかありませんが。

おそらく彼女達は、猫をちゃんと飼わなかったんでしょうね。
事故現場には、必ず猫がいたそうですよ。
武田さんが彼女たちに猫を預けたのは最後のチャンスだったのかもしれません。
それからというもの、宿泊施設には出るそうですよ。

彼女達の首のない幽霊が、夜中に首を捜して漂うそうです。
僕はその話を聞いてすぐにサッカー部を辞めました。
触らぬ神に祟りなしっていいますからね。
倉田さん、猫は気軽に拾わない方がいいかもしれませんね。

でも、実はまだ一人残っているんですよ、武田さんから預かった猫を飼っている子が。
ずいぶん大切にしているそうです。
いつまでもつのかわかりませんがね。
この学校の生徒で、猫を飼っている人を知っていたら、その子かもしれませんよ。

僕の話はこれでおしまいです。
次の方、どうぞ。


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