2、猫を殺してしまった【PS追加END実験動物】 | ナノ
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そう、殺してしまったんです。
こういうとき、女の子って残酷ですよね。

放課後、武田さんが行くと子猫の死体が床に転がっていました。
「だれが、こんな……、ひどい」
武田さんは悲しみました。

そして、彼女はその場で自殺してしまったんです。
武田さんは猫が最後のよりどころとなるくらい追い詰められていたのです。

いじめっ子達はあせりました。
「やばいよ、あいつ、自殺しちゃったよ」
「猫を殺したぐらいで、自殺しちゃうなんて」
「どうしよう。 みんな」
「黙ってればわからないよ。
遺書はないっていってたし」
「そうよ、私達は猫を殺しただけじゃない」

彼女達は沈黙することにしたんです。

それから、何ヶ月かしました。
結局、武田さんは、ノイローゼによる自殺ということで片付けられたんです。
そして、彼女達にとって、その事件のことは、もう遠い記憶になりかけていました。

だから夏休みに、球技大会にそなえてクラスのみんなで合宿しようという提案に、いじめっ子達は平気で賛成したんです。

みんなちょっとした旅行気分でした。
昼間、それぞれの出場球技の練習をして、夕食後は消灯時間まで、わいわい騒ぎました。

そして、消灯時間になり、クラスのみんなは床に着いたんです。
電気が消されても、まだおしゃべりを続けている人達もいました。
しかし、まもなくすると昼間の疲れもあり、全員眠りについたんです。

どのくらい経ってからでしょう、猫の声で一人が目を覚ましました。
「どこの猫よ。 うるさいわね」
辺りを見回しましたが、猫はいませんでした。
「こんなとこに猫なんて……………、あっ」
彼女は思い出したんです。

何ヶ月かまえ、ここで自分達がやったことを。

そして、フッと目をそらすと、そこに猫がたたずんでいました。
「きゃああ!」
彼女は思わず叫んだんです。
何人かが、その悲鳴で起きてきました。

「どうしたの……」
彼女の周りに数人が集まりました。
「ね、猫が……」
「猫がどうしたのよ」
迷惑そうにしているみんなを見ているうちに、彼女は嫌な予感がしました。

そこに集まったのは、あの時、猫を殺したメンバーだったのですから。
「みんな、気をつけて」
「えっ……」
みんなは、お互いに顔を見合わせました。
そして、思い出したのです。
自分達のしたことを。
と、その時。

突然、猫の鳴き声がしたんです。
「いやああっ」
みんな、いっせいに悲鳴をあげました。

彼女達が振り向くと、そこには猫がいたんです。
猫は彼女達をジーッと見ていました。
そして、彼女達もその猫から目を離すことができませんでした。
その時、猫の後ろに何かが浮かんで来たんです。
「な、なにか……」

誰かがやっと声を出すと、みんなゆっくり視線を上げていきました。

「な、直子……」
猫の後ろに武田さんの姿がありました。
「ふっふっふっふっ」
彼女は無気味に笑ったんです。

次の日、いじめっ子達は消えていました。
そして、不思議なことに、消えた女の子と同じだけの数の猫がいたんです。
警察は彼女達の行方を追いましたが見つかりませんでした。
結局、家出ということになったんです。
え、あの時の猫ですか。

鳴いてばかりで気味悪がられ、誰も買おうとしなかったんです。
だから、保健所に連れていかれました。
あとで聞いた話ですが、その猫は大学病院へ引き取られ、実験動物になったっていう話です。

実験動物って、どんなことをされるか知ってますか。
わざと病気にしたり、麻酔なしで解剖をしたりするんですよ。
麻酔をするとちゃんとしたデーターが取れないという理由で。
えっ、気持ち悪くないって。

倉田さん、調べて見てください、実験動物について。
図書館にいけば、分かるはずです。
想像を絶するものですから。
しかも、その実験動物が元人間………………。
僕はそう思いますよ。
だって、出るんですから、宿泊施設……。

お腹を引き裂かれたり、標本にされている彼女達の霊が。
僕はその話を聞いて、サッカー部はやめました。
あの宿泊施設には泊まりたくないですから。
ただの噂だと思うなら泊まってみてはどうですか。

でも、スポーツ部の退部者が夏休み後に多いのはそのことが理由だと思うんですが。
まあ、取り敢えず、これで話は終わりにします。
あまり想像したくありませんので。
次の方、どうぞ。


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