何をいってるんですか!
その左手に並んだ三つのホクロが何よりの証拠……。
さっき、握手した時にしっかりと見ました。
間違いありません!
坂上君こそ、僕の大事な、大事な兄さんの生まれ変わりです!
……ああ、兄さん。
まだよくわからないという顔をしていますね。
無理もありません。
頭を強打したショックで、前世の記憶が戻っていないんですね。
いいんですよ、兄さん。
そのうちに、きっと思い出すはずです。
僕が、どれだけあなたを慕っていたか……。
あなたが、どんな風に僕をかわいがってくれたか……。
決して他人は入り込めなかった、僕たちの関係を切々と語ってあげましょう。
ずっと、そばにいますからね……。
……そうですね、全てを思い出すまでは、今まで通り坂上君と呼ぶことにしましょう。
他の方々が混乱してしまいますからね。
大丈夫。
前世の記憶なんて、すぐに思い出しますよ。
僕が、どんな手を使ってでも思い出させてあげますから……。
そういえば……。
ショックで記憶をなくした人には、もう一度同じショックを与えると記憶が戻るといいますが……。
……本当なんでしょうかねぇ。
兄は、旧校舎の三階から落ちて死にましたから、同じショックを与えるのなら、坂上君にもそこから落ちてもらうしかありませんね。
もっとも、命を落とす危険がありますが……。
……坂上君?
そんなに脅えないで下さいよ。
今ここで、あなたを突き落としたりはしませんよ。
兄が死んだ時と同じ条件にするのなら、やはり旧校舎からでないといけませんからね。
今日は夕焼けも見えませんし……。
……ああ。
でも、旧校舎は夏休み中に取り壊されるんでしたねぇ。
それまでに、きれいな夕焼けが見れるといいのですが……。
その時は…………。
坂上君、覚悟を決めておいて下さいね。
僕は、その時を楽しみに待っていますから。
かわいい弟の楽しみを、むげに断わったりはしませんよねぇ……。
本当に楽しみにしていますから。
それでは、そろそろ次の人の話へ行きましょうか。
坂上君……?
早く次の方を指名して下さいよ……。
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