『1、やっぱり正直にいう』【END信じて貰えず】 | ナノ
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……やっぱり、正直にいおう。
河原君はそう思ったの。
本当に問題用紙が入っていたら、黙ってない方がいいってね。

彼は次の休み時間に、先生のところへ行ったの。
「なくなった問題用紙のことなんですけど」
そういうと、先生は彼をこの反省室に通したわ。
反省室の中で教科書を開くと、確かに問題用紙が入っていた。
小泉君がこっそり入れたやつよ。

河原君は、一部始終を話したわ。
でも先生は、彼のいうことを信じなかったのよ。
怒らないから、ここで反省文を書きなさいなんていったの。
冗談じゃないわよね。
そんなことをしたら、自分が犯人だって認めることになるじゃない。

先生はその証拠を手に入れて、自分をどうにかするつもりなんじゃないか。
そんな考えが、彼の心に浮かんだの。

彼は逃げたわ。
何で信じてもらえないんだろう。
もしかして、普段自分が心の中で悪態をついているのを知られたんだろうか。
そんなことを考えながらね。
気持ちは焦るばかりだった。
「うわっ!」

彼は、廊下で小泉君とぶつかったわ。
「お前!!」
河原君は、小泉君に殴りかかったの。
どうして俺を陥れようとするんだってどなってね。
小泉君は笑ってたって。
「何うろたえてんだよ、違うっていえばいいだろ?
もしかして、信じてもらえなかったのか?
河原、そんなのはお前が悪いんじゃないか。
しょせんお前なんて、うわべを取り繕っているだけなんだよ。
だから肝心な時に信じてもらえないんだ!」
河原君は、ついカッときてね。

小泉君を押し倒して、何度も殴ったの。
その時、先生が追い付いて来たわ。
「河原! 何やってんだ?」

彼はまた逃げたわ。
廊下にいた女生徒が悲鳴をあげていた。
そりゃそうよね。
優等生だった河原君が、いきなり人を殴りだしたんだから。
「河原! 待て!!」
先生が大声をあげたわ。
河原君は、その日家まで逃げ帰っちゃたの。

……次の日。
彼は学校を休んだわ。
でも担任の先生が家に電話したら、彼は学校に行ったっていわれたのよ。
これは家出に違いない。
先生は彼を捜したの。
警察にも行ったし、校舎内を捜したりもした。

家出して隠れてるとしたら、学校にある宿泊施設か、旧校舎にある畳の部屋か……。
いろいろ心当たりを捜したんだけど、彼は見つからなかったの。
結局、警察に届けを出したわ。
彼の両親は、ずいぶん心配したのよ。

でも、彼はずっと見つからなかったの。
そして、一週間くらいたってからのこと。
ある生徒がつまらない校則違反で、反省室を使うことになったのよ。
それで反省室に入ったら、誰かが窓の方を向いて、じっと座っていたの。

「ちょっと君、席をはずしてくれないか」
先生が手をさし出すと、窓際にいた生徒はグラリと倒れこんだの。

……それは、河原君だったのよ。
彼の左手首には、沢山の傷がついていたって。
反省室に隠れて、何度も手首を切ったらしいわ。
手首を切って自殺をするのって、よっぽど深くやらなきゃ駄目なんだってよ。

血があんまり出ないんだって。
でも、河原君ね手首には、すごく深い傷がついていたの。
彼は、どこからか持ってきた器に水を浸して、手首を入れてたんだって。
発見された時には、死後何日かたっていたらしいよ。

そして、彼が最後に書いた文が……そこのファイルにあるはずよ。
恵美ちゃん、ちょっと貸して。
ほら、下の方に閉じてあるでしょ。
「……何で俺のいうことを信じてくれないんだろう?
僕は先生のことが信じられない。
それから、こんなことで悩んでる自分も信じられない」
河原君は、これを書いた後に自殺しちゃったんだって。

実はねえ、河原君の後に、もう一人生徒がここで死んでるの。
彼が死んだのは私のせい……って反省文を書いた橋本さんよ。
あのね、小泉君が河原君の教科書に問題用紙を挟んだのは、橋本さんが原因だったんだよ。
小泉君は、橋本さんが好きだったんだって。

で、橋本さんはね、河原君が好きだったの。
わかるでしょ?
嫉妬した小泉君が、河原君にいたずらをしちゃったってこと……。
橋本さんは、河原君と同じ死に方をしていたらしいよ。

でね、そのことが問題になって、反省室は使われなくなったの。
鍵は、河原君のお棺の中にしまわれたそうなんだけど……。
何でそんな鍵が廊下に落ちてたのかなあ?
まさか、霊か何かが私達をここに招いたとか……。
なんてね、考え過ぎかな。

私は反省することなんてないもん。
思いつめたこともないし。



『1、あるある』を選んでいた場合



あっ、でも恵美ちゃんって、周りが自分のことを勝手に決めつけたりするっていったよね。
もしかして、河原君に近いものがある?
え、彼ほどじゃない?
でも用心したほうがいいよ。
それって、隙があるってことだと思うし。

人間だけじゃなくて、霊にもつけいられやすかったりして。

あははは……。
ごめんごめん、悪いこといったかな。
ねえ、そろそろ部室に戻ろうよ。
七人目の人が来てるかもしれないじゃない。

早く行こう。
ここには又、鍵をかけておくからね。


『2、よくわかんないなあ』を選んでいた場合



さ、そろそろ部室に戻ろう。
この部屋、なんか気味悪いじゃない。
あんまり長くいたくないもんね。
部室に七人目の人が来てなかったら、もう帰ろうか。


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