やっぱりそうなのかなあ。
あれが真実を伝える手紙だとすると、仕事から解放された占い師は、どこへ行ったんだろうね。
あのおばあさんさんが怪しいと私は思うんだ。
手紙の文字通りだとすると、占い師はかなり高齢のはずよ。
顔とか体はメイクやローブである程度ごまかせるし、こういった所って照明は押さえておくじゃない。
けっこう年齢なんてごまかせるんだから。
それとも、占い師として暮らしてる時は年をとらないのかな。
そういえば、平井さんて若く見えるんだよ。
この前の休みに、私、お姉さんと一緒に彼女のお見舞いに行ったんだ。
平井さんに会ったのはその時が初めてなんだけど、お姉さんにいわせれば、彼女ちっとも昔と変わらないって。
お姉さんと同い年なんだから、ええと、今年で二十三才のはずなんだけど、見た目はどう見ても、十五、六才って感じなの。
若作りとかそういうんじゃないんだ。
肌の張りや質が全然違うのよ。
だから、占い師として生きる間は時間が止まるっていう考えも、なんとなく間違いじゃないように思えるよ。
不老不死って、今でも望んでる人は多いと思うけど、そんなにいい物だと思う？
だって、あの手紙になんて書いてあった？
ありがとう、だよ。
あの占い師も、やっぱりどこかで別の占い師と交代してるとなると、皆、自分の身代わりを捜してでも、解放される事を望んでるんだよ。
もっとも、じわじわと死が近くなったりすると、また、
「不老不死に戻りたい」
なんて言い出すんだよね。
まぁ、人間なんて無い物ねだりが好きだから。
でも平井さんは、もし仕事から解放された時、おばあさんになってたりしたらどうするんだろ？
おじいさんになっちゃった田中君と結婚するのかな？
確かに彼女の願いはそれでかなうんだよね。
幸せかどうかは別としてだけど。
早く、仕事から解放されればラッキーなんだけどね。
そうね、誰か呪いたい人ができたら、彼女の所へ行くのもいいかも。
占いの当たらない平井さんの事だから、呪いなんて形だけなんだろうけど……。
不老不死に興味のある人にはお勧めよ。
さあ、私の話はこれで終わり。
それにしても七人目の人、来ないね。
何かあったのかなぁ……。
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