平井さんは決心したの。
絶対に行かないって。
そして、もうあの占い師のところに通うのは、やめる事にしたの。
約束を破るんだもの、行けるはずがないよね。
それからしばらくの間、平井さんは辛い日を過ごすの。
何故って、田中君になかなか会えなかったからよ。
学校内だと何かしらの邪魔が入って顔も見れず、放課後、やっと会えたと思ったら、新しい彼女と一緒だったり……。
でもね、ある日急に、田中君が以前のように優しくなったのよ。
平井さんには、何が起こったんだかわからなかったんだけと、やっぱり嬉しかったって。
まるで、呪いが解けたようだった。
そういってたとか……。
ねぇ、坂上君。
この呪いって誰にかけられてたんだろうね。
悪い魔女の呪いって、お姫様にかけられる場合と、王子様にかけられる場合とあるじゃない?
悪い魔女で思いつくのって、占い師だけど平井さんは例の事があって、全然行ってないから、どうなったのかわからないって。
うちのお姉さんが教えられた所に行ってみたけど、テントも何もなかったの。
ただ、テントのあった跡が残ってたから、取り外されてどこかへ移動したんじゃないかって。
田中君の彼女だった女の人もぷっつりと姿を見せなくなっちゃった。
不思議な事に、田中君、彼女の名前も家もまるで覚えてなかったのよ。
遊びに行った事もあるのに彼女の家がどこなのかとか、毎晩電話してたのに番号がわからなかったり……。
もしかすると、彼女も占い師と関係があったのかもね。
悪い魔女が死ぬと、呪いが解けるっていうのが物語のセオリーだけど、現実じゃ確かめるのは難しそうだし。
うふふふ、坂上君。
これでわかったでしょ?
平井さんが、あのまま占い師のところに通いつめていたら、悪い魔女に食べられちゃってたかもしれないんだよ。
占いなんてあんまりのめり込むもんじゃないの。
さ、これで私の話は終わり。
七人目は来ないけど、どうするの坂上君……?
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