風間6話(女) 痴漢の心配をする風間 | ナノ
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PS追加・女主人公・ゲームオーバー無し
風間望6話
痴漢の心配をする風間

いやあ、まいったなあ。
さっきから、たいした話が出てこないじゃないか。
これで七不思議の特集を組もうなんて、甘いんじゃないかい?
あ、失礼。
恵美ちゃんにいったんじゃないよ。

もっとすごい情報を提供してあげなきゃっていいたいのさ。
僕は風間望。
三年だ。
はっきりいって、僕が用意してきた話は、最高に怖いぞ。

なぜなら……これから話すことは、君達の身にふりかからないとは限らないからだ。
注意する必要があるのは、女の子なんだけどさ。
岩下さんと玲子ちゃん……それから恵美ちゃん。
今、三人いるけど。
明日には、二人になっているかもしれないよ。

まあ、そんなことは絶対にないようにしなきゃいけないけど。
……じゃあ、恵美ちゃん。
覚悟はいいかい?

怖かったら、僕の側においで。


1、側に行く
2、行かない



『1、側に行く』



ふふ、かわいいなあ。
大丈夫、僕に任せておいて。
僕のいう通りにしていれば、怖いことは何もないから。
はい、手を握っててあげるよ。



『2、行かない』



あ、そう。
……遠慮しなくていいのに。
ぶつぶつ……



※以下同文※



それじゃあ、話を始めようか。

えーと。
突然だけど、君たちはチカンにあったことがあるかな?
そう、よく電車の中とかにいるあれだ。
チカンは、いろんなところに出没する。
夜道とか公園とか、プールとか……女子から、いろんな話を聞くよ。

僕は、男としてそういうのは許せないんだけどね。
実はさ、うちの学校の近くには、やばいチカンが隠れているんだよ。
被害にあった女性は、みんな殺されてしまうんだ。

みんなは知らないかな、ついこの間、他の地域で女性の殺害事件が続いて起こったって話。
犯人はまだ見つかっていないそうだけど。
僕の読みでは、その犯人が、最近この付近をうろついているんだ。

ニュースで報道していた犯人の特徴に、あてはまる奴を見たんだよ。
この学校の……近くで。
異様に目付きが悪くて、青い顔をしていたな。
夜の闇にぼうっと姿が浮かんでいてさ。
じいっと、うちの学校を見ていたんだ。

なんだか幽霊のようだった。

僕はもう、焦っちゃってさ。
最初に事件が起こった地域のことを、新聞で調べてみたんだ。
殺されていたのは、みんな女子高生だった。
わかるかい、恵美ちゃん。
君と同じ、女子高生だよ。
……で、いくつも新聞を読んでいたらさ。

気になる記事をみつけたんだ。
やっぱり、チカンの事件なんだけどね。
その事件の犯人は、女性の抵抗にあって、もみあっているうちに地面に頭を打ちつけられて……って、わかるだろ。

そう、犯人は、打ちどころか悪くて、死んでしまったのさ。
その犯人の写真が、僕がこの学校の近くで見た奴と、なんだか似ていたんだよ。
僕はすぐにピンときたね。
死んでしまった犯人が、霊になって、今でも女の子を襲っているんじゃないかって。

警察は、そんなふうには考えないだろうからさ。
同じ地域で、同じような事件が起こったといっても、片方の犯人が死んでいたら、もう片方の事件とは関係ないって思っちゃうんだろうな……。

というわけで、僕の話は終わり。
実は、君達を、あまり遅くまで残らせたくないんだ。
犯人は、今日だって学校の近くにいるかもしれないんだから。
七人目も来ないようだし、もう帰ろうよ。

恵美ちゃん、新聞にこのこと、しっかり書いておいてね。
次の犠牲者が出ないようにさ。
みんなで気をつけてほしいんだよ。
信じない人もいるだろうけど、やっぱり知らせないわけにはいかないからさ。
さあ帰ろう。

あっ、恵美ちゃんは僕が送るから。
岩下さんと福沢さんも、誰かに送ってもらうといいよ。
今日は、男がいっぱいいてよかった。

よし、じゃあ恵美ちゃん、一緒に帰ろうね。


1、はい、ありがとうございます
【END下校】

2、ちょっと待ってください



『1、はい、ありがとうございます』



うっふふふ……。
あっ、いや失礼。
つい笑ってしまったよ。
いや、深い意味はないんだけど。
君のようなかわいい女の子と一緒に帰れるなんて、嬉しいなあ。
おっと、もちろん、目的は君を守ることだからね。

ところで、君の家ってどっち?
大丈夫、家の前まで一緒に行くからね。
ふふふふふ……。



『2、ちょっと待ってください』



ん?

どうしたんだい?

1、七人目をもう少し待ちたいんですが
2、違う人と帰りたいんですが
【END下校】



『1、七人目をもう少し待ちたいんですが』



うーん。
でもさあ、もう外は真っ暗だよ。
そいつ、今日はもう帰っちゃったかもしれないだろ?
まあ、なんか事情があったんだろうけどさ。
さっきもいったように、ここらへんは危ないんだから。

七人目の取材は、また今度にした方がいいよ。
さ、行こう行こう。

僕が責任持って送るからさ。
うっふふふ……。



『2、違う人と帰りたいんですが』



え、今なんかいった?
よく聞こえなかったなあ。
さあ恵美ちゃん、帰るぞ。
大丈夫、ちゃんと家の前まで送ってあげるからね。
ふふふふふ……。


〔風間7話に進む〕