★91、岩下【PS追加END福沢さんの告白】 | ナノ
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僕は、岩下さんを選んだ。
内山君のこともあって、僕は罪の意識を感じているのかもしれない。
「そう、彼女を選ぶの」
岩下さんの方を見ると、彼女はにっこりと微笑んでいる。
その横に立っている、福沢さんはあまりいい顔をしていない。

「でも、どうして岩下なわけ?
岩下は、あなたを殺そうとしたのよ。
それでも挑戦するのね。
……わかったわ。あなたのやさしさが。
その心に触れれば、私でさえも、成仏することができるかもしれない」

そういうと、仮面の女は僕の方に歩いてきた。
そして、僕と彼女は重なりあった。

まばゆい閃光が走る。
その時だった。
彼女達は、煙りのように消えていった。

……白い仮面だけを残して。
僕は、その仮面を拾うと、じっと眺めた。
彼女は、救われたのだろうか。
僕のやさしさは、彼女を成仏させることができたのだろうか。
それはわからないが、とても気分がよかった。

窓の外からは、朝日が差し込んで来る。
(もう、朝になったんだ……)

僕は、トイレを出ていこうとした。
「待って、坂上君」
僕は、後ろを振り返った。
「あっ……」

そこには、福沢が立っていた。
「福沢さん……」
「坂上君。仮面を返して。
わたしは、忘れないよ。坂上君が私を選んでくれなかったこと。
きっと、坂上君だったら、私を選んでくれると思っていたのに。

残念だわ……。
今日から、私がその仮面を引き継ぐわ。
そして、このトイレに住みつくの。
……旧校舎は、もうすぐ取り壊されるわ。
その時は、引っ越すの。 新校舎の方にね。

そして、いつかはあなたも、私の所に呼んであげる。

だって私、坂上君のこと、好きになっちゃったんだもん。
……な〜んちゃってね。
でも、呼びに行くのは、本当よ。
楽しみにしててね」

そういって、僕から仮面を受け取ると、彼女は、個室の中に入っていった。
……………………………。
トイレの噂は、終わらなかった。
また新しい花子さんを、産み出してしまったのか。
とにかく、僕の仕事は終わった。

後は、記事にまとめるだけでいい。
そう思った時、僕は猛烈な眠気に襲われた。

斜めに差し込んでくる日差しが、僕の目を強烈に貫く。
家に帰って寝よう。
そして、今日ぐらいは、学校を休もう。

僕は、眠い目をこすりながら、ふらふらと校門を出ていった。
(あれ、なんか凄い音が聞こえる……)
(ふ…福沢さん………もう迎えにきたのかな……。早すぎるよ……)

(旧校舎END)

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