※クダリがずっと喋ってるだけ
「っは、のぼり、さ」
「ナマエ様、もう少し口を開けて」
「も、むり」
ちゅ、ちゅと響き渡る休憩室の前に突っ立っている僕。
ちなみに、僕、クダリ。
双子の兄のノボリが恋人のナマエちゃんといちゃこらしてる最中に来てるとこ。
2人とも恥ずかしがりやさんだから、、あ、ノボリは堅物なだけかも、で、外ではそんなにいちゃいちゃしないんだけど、僕の場合ノボリと接点が多いからこうやって見ちゃうときがある。
で、僕は休憩室に何しに来たかっていうと、マルチに挑戦者が来たからノボリを呼びに来た。ノボリはナマエちゃんといるとき絶対に通信用のインカム電源切るんだ。だからじきじきに僕が呼びに着てるんだけど。今日はいつも以上にいちゃいちゃしてて逆に僕が恥ずかしいよ。
「逃げないでくださいまし」
「で、でも、」
「わたくしがお嫌いですか?」
「ず、ずるい、です、ノボリさん…」
「貴女様だけでございますよ」
なんか、、僕どうすればいいかわかんない。
ライブキャスターで呼んでもいいんだけど、その場合ノボリの怒った顔ったらほんとに怖いし、なによりいっつもしかめっ面してるくせに心なしか表情があるから僕でもびっくりしちゃう。
そんなことより、お仕事。
挑戦者は来てるし、そろそろ腹をくくらなきゃね。
僕やるときはやるよ。
とりあえず、ノックをする。なんだろ、冷や汗っていうの?僕これ嫌いだよ。
がちゃりとドアが開けばやっぱりしかめっ面なノボリが居て完璧ヤクザだよ。
「なんですか、クダリ」
「ま、マルチに挑戦者だから」
なんで双子の兄にびびってるの僕。別にバチュルに攻撃されたわけでもないのに足ががくがくするよ。
「そうですか、今行きます。クダリは先に行っていてください」
「あ、うん」
ばたん。
え、だから、仕事なんだけど。
でも言われた通りにしないとノボリほんとに怒るから行く。
あぁー、僕も彼女つくろうかな。
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