溶けるアイス気にしながら



「……?」
「こんにちは亮」
「…ああ、だがなぜお前がここにいるんだ」


確かに今俺は自室にいるはずだ。いや、ここは俺の部屋だ。

そこには世間的に言う恋人、名前がいた。いかにも待っていましたと言わんばかりで座っていた俺のベッドからおりてこちらに寄ってきた。


「なによ、せっかく暑いだろうからアイス買ってきてあげたのに」
「そうなのか?」


頬を膨らませながら部屋にある小さめの冷蔵庫からアイスをとりだす名前は可愛いとか思ってはいないぞ。すまない、嘘だ。かなり可愛い。口にはださないが


「男子の制服って長袖だから暑いでしょ?」
「まあ、それなりにな」


確実に女子よりは暑いとは思う。アレは露出が高すぎる。ああ、話がずれた


「はい。プレゼント」
「ありがとう」


立ちながら食べるのはさすがに行儀が悪いと思い近くにあるソファーに座ったら名前が股の間にスッポリと入ってきた


「…狭くないか?」
「亮が股もう少し開けてくれたら狭くはないかな」
「そうか」


言われてそれを従う俺は将来、嫁…と言われるものに尻にひかれるタイプなんじゃないかと不安だ。自分で考えておきながら恥ずかしくなってきたな…

視界には名前がいる。ちなみに名前が食べているのは棒アイスとよばれるものだ。溶けないように頑張って舐めているところを見ると卑猥に見えてしまうのは男の性と言うものだろうか。


「名前、」
「んー?」


名を呼ぶと口からアイスをはなし俺と視線をあわせるために上を向く。名前の唇はアイスを食べていたせいか赤くなっていた。俺は今手に持っているアイスよりも美味しそうに見えてそれを食べるようにキスをする

顔が逆さまのままキスをするのは初めてだがこれはダメだな、顔が見えない。名前の喉元しか見れない。

名前は苦しくなってきたのか体を俺の方に倒した。


「アイス溶けちゃうじゃないの」
「アイスよりも美味そうなものが目の前にあったものでな」
「ばーか」



アイスを食べるよりキスをしよう
(あ、アイス溶けてる)(すまない)


title:にやり
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