最後の裏切り
「皆見てよ、これかなりのベストショットだと思わない?」
ペラリと写真のようなものを部室の机の真ん中に置く幸村。私は部誌を見て今日の練習メニューの確認をしている時だった。
「うっわ、真田やるじゃん…な、マネージャー!」
「副部長!?これマジな写真っすか!?合成ッスよね?ね、マネージャー!」
「俺が撮ったんじゃよ。な、マネージャー」
ちらちらとマネージャーの名を出すこいつら。
なに、なんの写真。
気になって部誌を閉じて幸村達のところに行く
「な、な、なにこれ!」
その写真にはわたしと真田が、その、きす、してる写真。
い、いやいや、してない、してないよ!?人前ではまだ、まだしてない、はず!しかも写真撮られたなら気付くよね、
「よう見てみんしゃい、名字、がっつり目が誘ってるぜよ」
「ち、ちが!そんなこと!してな!」
「ほんとだ、何?欲求不満なの?」
「だ、だから!」
「何をしている」
低く少々苛立ちを含めた声でこの場をおさめたのは真田だった。
「さ、さなだ!」
突然の救世主に今までの空気から解放された喜びでわたしは真田に抱きつきたい衝動に駆られたがそんなことをしたら幸村が黙ってないだろうから真田のそばに寄るだけにした。
「どうした名前」
「ふーくぶちょ!こーれッスよ!」
その写真は何度見てもわたしには赤面ものだったから赤也くんが真田に見せた写真は見たくはないもので、真田の背中に隠れた。
「な、これは」
「やるっすね!」
「のぉ真田覚えとるか?この前のポッキーゲームじゃよ」
この前の、ポッキーゲーム?
「ね、仁王その角度からみたらほんとキスしてるみたいに見えるってこで写真撮ったんだよね」
「させたのは貴様等ではないか!」
若干声が大きくなったのは照れ隠しだよね?
「そーだそーだ!」
真田の後ろから幸村に抗議する。といっても幸村がさせたことは事実。いきなり幸村が王様ゲームがしたいとか言うから付き合ってやったのに普通「1と4が…」とか言うのにまさかの「真田と名字でポッキーゲーム」って名指しじゃないか!王様ゲームじゃないよもはや、魔王ゲームだよ。やる私達は完璧に幸村政権に逆らえてないからね。
「なんなら、」
ぼそり、と私の目の前の男が話始める。
ぞくりと嫌な予感しかしない。
「本物のキスを見せてやろうか?」
にやりと笑う真田を見て私は気が遠くなった
最後の裏切り
(ばか!ばか!)(はいはいじゃあこっち向いてしてね写真とるよー)(誰か冗談だと言って…!)