小説 | ナノ


第一話  


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第1話

サトシたちはとある街のポケモンセンターで休んでいた

「ジョーイさん!ピカチュウ達の回復お願いします!」
「はい!ポケモン達をお預かりしますね」「タブンネ〜♪」
「サトシ、エックス、僕は外でランチの準備をしてくるね」
「じゃあアタシも手伝ってあげる!」

はいはーいと手を上げて得意げに言うエックス。その時一瞬誰かの視線を感じたが
ここにはたくさんの人やポケモンがいたので気にするだけ無駄である。

「サートシ♪なんか飲み物いる?ついでに買ってきてあげるわ。感謝しなさいよ!」
「え?んーと...サイコソーダで」

スキップで向こうにある自販機に向かっていったエックスを見送りながら
サトシは何をしようか考えていた。
ポケセン内を見回してみると今まで見たことないポケモンがたくさんいた。
自然と笑みが浮かんでくる。

そこで一匹のポケモンが視界に入ってきた。
黒い羽をもつ蝶々のような姿だ。
ウロウロと施設内を飛んでいる。
虫ポケモンにしてはそこそこの大きさだったが誰もそのポケモンに興味を示さない。
まるでそこに誰もいないかのような扱いだった。
もしかしたらトレーナーとはぐれたのかもしれない。
そのポケモンの事が気になって近づいてみた。

「トレーナーとはぐれたのか?」
『・・・。』
「いっしょに探してあげようか?」
『・・・。』
「せめて返事ぐらいしろよな!」

そしてその子に手を伸ばした。サトシは周りの好奇の目には気づかなかった。
そのポケモンはひらりと手を避けて

『ついておいで』

とでも言うように
サトシと一定距離を保った。

「おい!ちょっと待てって」

追いついたと思い手を伸ばしたらまた避けられ逃げられた。
足を止めるとその子も止まりじっとこちらを見つめてくる。

(もしかして遊ばれてるのかオレ...?)

そのまま身を引いたら負けな気がしたので追いかけっこに付き合ってあげた。

いつの間にか2階につながる階段の前に来ていた。
その子は2階に上がっていく。
壁には関係者以外立ち入り禁止の張り紙が貼られていた。

「ちょっと!そっちに行っちゃダメだって!」
「・・・。」

何とか連れ戻さなければ、という謎の使命感に駆られ跡を追いかけていった。

2階のエレベーターまで来た。その子は自分でボタンを押しドアを開け中に入った。
このままいっしょにエレベーターで1階に降りる事できる。
エレベーター内は密室で狭いのでこのポケモンを手で捕まえておくことができるだろう。
そのままジョーイさんに引き渡そうと考えた。
この子のトレーナーも迷子になっているこのポケモンに頭を悩ませているだろう。

(早く届けなきゃ...。)

エレベーター内には1階、2階のボタンがあった。そのまま1階行きの
ボタンを押そうとした瞬間、にぶい音が響く。

ガチャンッ

行き先を示すボタンの上にあったボルトが外れ鉄板が床に落ちる。

「えっ?ええ!!?」

剥がれた鉄板部分の壁には行き先を示すたくさんのボタンがあった。
3、4、5、6...ボタンに沿って上を見上げる。

「...42、43、44階行きってそんな、ありえないだろ!」

新しく3〜44階行きのボタンが出現した。呆気にとられていると

その黒い蝶々のポケモンは44階行きのボタンを押した

エレベーターはガタンと音を立てて急上昇していく
その衝撃に耐えられず両足を床についた

(っ...何がどうなってるんだ)



もちろん

さっき階段を上ったときには3階に続く階段は無かった。






...続く





もっとコミカルな文章書きたいのですが、じめじめ湿った文になってしまいます。
ヒロインの性格はちょっと強気な女の子という設定にしておきます。


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