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タロットでは占えない恋


「――ンでこんなに暗いんだヨ。入る時転びそうになったんだけどォ」

「……それは、申し訳ございません。地面に何か落ちていないか、今後よく確認するようにします」

「じゃなくてェ。電気つけるかカーテン開けるかして明るくしろっつってんだよ」

「無理ですわ。名前を教えたがらないお客様もいらっしゃいますし、お互いのプライバシーを守るために暗くしてるんです」

こちらを威圧してくるように次々と放たれる言葉に負けないよう、私もいつもより厳しい声を出す。目の前の相手は、「……フゥン、ま、いいけどォ」と、途端に白けた声を出した。

「………」
「……ハッ、ンな警戒しなくていいっつの」
「………!」
「その様子じゃあ、ある程度何を聞かれるか予想ついてるみてェだな」
「何のことでしょう」
「………。占いねェ……正直、オレにはこんなよくわかんねーものに熱中するヤツの気がしれねぇな」
「…………」

カチンと来たけど、ここで感情的になって反論するのはきっと相手の思う壺だ。この人多分、あえて私を煽ってる。

「……用が無いならお帰りくださいませ」
「意外に冷静だなァ」

へっ、と目の前の彼の口角がにやりと上がった。

「占いっつーのとは全然違うけど、オレもな、実は得意なんだヨ。なんつーのォ? 診断とか、予知っつうか。わかンだよな、野生の勘っつーか、ニオイで」
「噂はかねがね聞いてますわ。自転車競技部の、荒北靖友様」

ピシャリと牽制するように名前を出してみるが、荒北さんは全く動揺する気配は無い。少しは優勢に立てると思ったのに、依然その口元には笑みが張り付いている。……なんだこの腹の探り合いは。ピンと張りつめた空気が私達の間に広がっている。

―――その日、いつものように部室にやってきた私に、一人の後輩が慌てたように駆け寄ってきた。その光景にデジャヴを覚える。嫌な予感がした。そして彼女の次の言葉を聞いて、ギクリと心臓が跳ねる。

『自転車競技部の方がいらっしゃってます』

一瞬で思い浮かんだのは、白いカチューシャの彼だ。彼は、私が思い切り突っぱねたあの日からもう随分と長い間この占いコーナーに姿を現してなかった。

……けど、そうじゃなかった。

『多分あの人、今年のインターハイのメンバーに選ばれた荒北靖友さんだと思います』

『荒北……靖友?』

なんとなく噂は聞いていた。自転車は高校で始めたっていうのに、インハイのメンバーに選出されたっていう、正直言って見た感じちょっと柄の悪い人。占いに興味がある印象は到底見受けられない。
……ここで、また私は嫌な予感を覚えた。もしかしたら。彼がやってきたのは、東堂くん絡みなんじゃないのかと。
どこまで私と東堂くんのいきさつを知っているかはわからなかったが、いつもより注意深く、私はクリスティーナとして振る舞わなければいけないと、そう感じた。

―――で、今に至るわけなんだけど。

予想通りだった。荒北さんは絶対に東堂くんのことを探りにやってきている。果たして私の正体のことまで把握しているのかはわからなかったけれど。

「まァ、察しの通り、オレ別に占ってもらいに来たんじゃないんだよネェ。単刀直入に聞っけど、ちょっと前までここにオレと同じ自転車競技部の三年が顔出してたはずだ」

………やっぱり、来たか。

「お客様のプライバシーに関わることには一切答えられません」
「東堂尽八。――随分お世話になったようだなァ」

私の言葉にぴったりと追走するように出されたその名前。ある程度覚悟をしていたから、そこまで動揺はしないで済んだ。ごくりと唾を飲み込む。

「何度も言ってますがお客様の」
「どうやら恋愛相談らしくてェ? 恥ずかしいことに、熱心に通い詰めてたみてーだ。興味本位で一回覗いてみるだけっつってたのに、随分ハマっちまったみてーでさァ」

……今度は完全に私の言葉に被せてきた。くそっ。全くこちらのことなんて無視ときたか。

「そしたらある日急に行くのをパッタリとやめちまいやがった。本人に何があったか聞いても適当にはぐらかされる。でもオレにはわかンだよなァ、あいつ振られたんだヨ。しかもそーとーこっ酷い振られ方したらしい。でもって落ち込んでやがんだ。まぁちょっといい気味って感じだけどォ」

…………こうなったら、もう白を切ることに意味は無い気がした。

「で、何ですか。私は占っただけですわ。自転車競技部の方で何か問題が生じたとしても……責任は、取れません」
「ハッ、勘違いすんなバァカ。確かに落ち込んではいたが、それを部活に出すようなヤツじゃねぇよアイツは。何の問題も生じてねーから。当てが外れて残念でしたァ」
「………」

…………くっそぉ〜〜〜!!!!!!
どこまでも喰えない笑顔にフェイスカバーの下で唇を噛みしめた。何なの、このどこまでも腹立たしい男は。

「なら何がしたいんですか。苦情を言いにきたわけじゃないんでしょう?」
「……興味があったんだヨ。あいつをあそこまでへこませる女がどんなもんかをなァ」
「……占いと関係ないご用件なら、出てってくださいます?」
「ナルホド、アイツのこともそーやって一方的に追い出したわけネェ」
「……っ!!」
「ま、それで諦めちまうアイツもアイツだけどな。会いに行こうと思えばクラスに押しかけることだって出来るのに。何でそれをしねーのか分かるか?」
「…………」
「その女の子のことを考えてだヨ。自分の知名度をよぉく自覚しってからな、ヤツは。少々自意識過剰だけどォ。だから、そんな風に直接押しかけちまえば、迷惑かけると思ったらしい。あくまでも片想いだからな。その子の日常に支障をきたすことがあったらいけねーって」
「…………」


胸がギュッ、と痛んだ。


「ここに通い詰めてたワケも、そう考えたらわかんだろ?」


………。

ここは。誰にも干渉されない、完全に二人きりになれる資料室。そして私は、正体を誰も知らない、一般生徒にとっては未知なる存在、ミス・クリスティーナ。

ここなら、私の迷惑にならないと思って………そういうこと?

―――とうとう私は俯いてしまった。

「……本人と向き合わずに一方的に追い出すなんて、だいぶ卑怯だと思うんだけどなァ。好きか嫌いか、気持ちの問題じゃねェ。さっきは『フられた』なんて言葉を使ったが、それってフったワケじゃねーだろ、ただ『逃げてる』だけだ」

「…………」

「ちゃんと顔出して、きっちり向き合ってケリつけるのが、筋ってヤツじゃねーの。と、オレは思うんだが、アンタはどう思う? 数多の恋愛相談に乗ってきたミス・クリスティーナさんよ」

「…………」

「――ハッ。ま、オレの言いたいことはそんだけだ。もうそろそろ部活の時間だしなァ、これでオレは失礼するぜ。じゃあよろしくな、占い師さん。ちゃーんと伝えてくれよ、今のオレの話を……その、例の女の子に」

「え……」

荒北さんは、私の目を見つめてそうニンマリと口元を歪めてみせた。この人、私自身がその女の子だって絶対に気づいてるはずなのに。そこまで私を徹底的に追い詰めないのは、あくまでも自分が優勢だって、余裕を示すためなのか。それとも、最後の最後に多少の恩情を見せることで、東堂くんに会うことを促そうとしているのか。

どちらにせよ、めちゃくちゃ悔しかった。

「随分と友達想いなお方なのですね、荒北さんは。イメージとは違ってましたわ」

なんとか一矢報いたいと思って、私を通り過ぎて出ていこうとする荒北さんの背中にそう声をかけた。するとピタリと足を止めた荒北さんは、クッと喉の奥を鳴らして、こちらに振り向いた。

「気持ちわりぃこと言うんじゃねーよバァカ。明らか沈んでんのに無理やり明るく装ってるアイツの相手してっと、死ぬほどイライラして腹が立つんだヨ。部活にゃ何の問題もねェが、このままだとオレの精神衛生状に悪影響を及ぼしかねねェと思ってな。だから来ただけだ。……あと、純粋な興味? ああ……ま、結局その女の子の情報は何も聞けなかったケドォ」

「……あら、また随分と釈明に必死ですわね」

荒北さんはしばらく私を見て、それからチッ、と舌打ちすると、そのまま資料室を出ていった。

……ちょっとだけ彼の笑顔を崩してやることができたけど。でも、私の完敗だった。緊張感から解き放たれて、はあ、とため息をついて机に突っ伏す。

………どうすればいいのよ、もう。







いつもなら、帰りのHRが終わった後は、そのまま急いで部室に直行する。占いコーナーが開くまでには時間はあるけど、資料室のセッティングとか、色々それまでにやらなくちゃいけないことがあるから。後輩に任せときゃいいとも思うんだけど、実際に使うのは私だし私が準備したい。

でも今日は、後輩に頼んだ。『ちょっと用事があっていつもより遅くなるから、悪いけどセッティングお願いできるかな?』とメールを送ったら、『お任せあれ、クリスティーナ!』と即返信が返ってきて、くすっときてしまう。みんないい後輩で、いい弟子達だ。

教室を出た。廊下はがやがやと騒がしい。けど、そんな騒々しさもどこか遠く聞こえてくるほど、体内で心臓が脈打つ音が大きくこだましていた。部室へと反対方向に歩きながら、これから会いに行く人のことを考えて、胸が苦しくなる。色々と考えてはみたけど、結論らしき結論は何も出てない。十八番の占いをあてにしてみようとしても、無理。タロットカードには何故か手が伸びなかった。

その人のクラス。知らなかったけど、ファンの友人に聞いたら反射で答えが返ってきた。ちょっと驚いた。やっぱり、すごい人気があるんだよね。何でそんな人が私を……って、ああ、また、もう何度も何度も自分の中で繰り返された疑問だ。考えたところで分かるわけないのに。

クラスの前につくと、まだ帰りのHRは終わってないみたいだった。担任の先生が教卓の前で何か話している。廊下の壁によりかかって、終わるのを待つ。何人かの生徒が同じようにして誰かを待っているみたいだった。大丈夫だろうか、うまく捕まえられるだろうか……。

俯いてじっとしていたら、ガラガラと一斉に椅子を引く音が聞こえてきた。HRが終わったのと同時に、生徒達がわらわらと出てくる。急いで入口の脇に移動、ここで待機だ。

東堂くんってきっとたくさんの子から告白されてるんだろうな。みんなこんな風に、放課後、彼が部活へ行く前のこの時間を狙って、ここで待ち伏せしたりしたのかな。私もきっと、大勢の人に東堂くんを呼び止める光景を見られるだろう。そして、「×組の苗字さんが東堂くんに告った」っていう情報が広まり、明日ぐらいにはもう私の友人の耳にも届いてるかもしれない。うーん、憂鬱……。って、その前に、ファンクラブの人達から圧力かけられたりしそう。そういう漫画みたいなことってあるのかな……。怖い。

「………苗字さん?」

と、入口から出てくる人をチェックしながらそんなことを考えていた時だった。声をかけられた方に振り向くと、そこには。

「あ、れ……東堂くん……!」

彼の姿を確認した瞬間、身体がピシリと固まっていくのを感じた。入口じゃなかった、彼は後ろの扉の方から出てきたんだ。いや、今それはどうでもよくて。

「どうしたんだ? 誰か……待っていたのか?」

東堂くんはこちらに近づいてくると、そう訪ねた。貴方です、と声が出ない。明るいところで彼を見たのはいつぶりだろうか。そして、明るいところで私を見られるのは、いつぶりか。恥ずかしくて、顔を伏せてしまった。ああもう、困らせちゃうじゃん。

「もしかして、オレに会いにきてくれたのか?」
「………」
「――いや、そんなことないか。誰に用事があるんだ? 教室に残っていたら呼んできてあげよう」
「………東堂くん、です」
「え?」

顔をぐっと上げて、東堂くんを見つめて、もう一度「東堂くんに、会いに来ました」と言うと、彼の目は大きく見開かれる。

「どっかで、お話できないかな……あの、時間があれば、だけど」
「………」
「あの、東堂くん?」
「――はっ! じっ、時間! なんて、い、いくらでもある! 有り余るほどある!」

……いやあなた部活があるでしょうに。

「だ、だが……ここだと人目につく。移動してもいいだろうか」
「うん。私もその方がいい」

すでに幾人かがこちらに視線を向けている。東堂くんがさりげなく、そんな視線を遮るように私の真向いに移動した。

「……少しオレと離れて移動した方がいいかもしれない」
「大丈夫だよ。どうせもうバレてるから。一緒に行く」

やっとそこで、ちょっと笑うことができた。東堂くんは一瞬心配そうに私を見たけど、「わかった、じゃあ行こう」と頷いて、歩き始めた。



東堂くんが連れてきたのは屋上だった。出てきた扉のある建物の裏側に移動すると、ちょうどそこは日陰になっていた。

「――ここならいいだろう」

東堂くんが、そう言って私に向き直った。一瞬だけ目が合って、彼の方から目を逸らされた。気まずい空気をごまかすように、東堂くんは「きょ、今日は暑いな!」とわざとらしく顔を手で仰ぎながら笑っている。私はそんな彼を見て、ふう、と小さく息を吐くと、口を開いた。

「東堂くん。……この間は、ごめんなさい」
「!」
「あんな風に、一方的に、無理やり追い出すべきじゃなかった。本当にごめんなさい…!」

小さく頭を下げると、東堂くんがはっと息を飲む音が聞こえてきた。

「あ……あれは苗字さんは悪くない! オレが無理やり苗字さんを追い詰めたのが悪かったんだ。謝るのはオレのほうだ、顔を上げてくれ……!」

切羽詰まった声に、深く息を吐いてぐっと顔を上げると、東堂くんは本当に必死な顔をしている。その顔を見て、ふっと力が抜けた。何故か。少し口元が緩んだ。

「……ある人から、言われたんだよね。あんな暗い部屋で、あんな風に顔隠して、口調も変えて……全く別人になって、東堂くんの顔も見ずに、もう来るな! なんて、そんなの卑怯だって。ただ逃げてるだけだって。………本当、その通りだなって思った」

「ある人……?」

「東堂くんが、私のこと考えてあそこにわざわざ通っててくれたってことも、聞いた。それは、……気づかなかったな」

「う……だっ、誰がそんなことを……!?」

たじろぐ東堂くんを見て、荒北さんの強面を思いだして私は曖昧に微笑んだ。これ、名前出したらあの人怒りそうだな。資料室の仕返しになるかと思ったけど、やめとこう。あんな怖い人とはもう関わりたくないし。

「ごめん、それは秘密。とにかく私、東堂くんにちゃんと向き合おうと思って、色々考えてみたの。自分は東堂くんのことどう思ってるのかとか。でも結局、何もわからなかった」

「わからなかった……?」

「私本当に恋愛したことが無くて、誰かに想いを寄せられることも今まで無くてさ。笑えちゃうよね、そんなやつが恋愛相談とか乗ってるんだから。だから、わからないんだよ。資料室の中で、私の名前出されて堂々と好きだとか言われて、正直ちょっとドキドキしたりしてた。東堂くんのこと考えると胸が苦しかったりするし、もしかしたらちょっと東堂くんに気持ちが傾いてるのかな〜…って思ったりもした」

「え……!!」

「でもその一方で、それって恋なのかな? って思う自分もいたりするの。だってもともとは、東堂くんのことなんとも思ってなかったわけじゃん。ドキドキしたのも、東堂くんの顔が整ってるからなのかな? って思ったりもするんだよね。要するにアイドルとか俳優さんにドキッってきちゃうのと同じ感じで。それって恋じゃないじゃん。あと、あの資料室のムードに酔ってたっていうのも否めないというか……」

暗がりの中、一対一で向き合って。見えるのは揺らめくランプに照らされたお互いの身体の一部だけ。古書のニオイが充満する、狭い資料室。そこでひたすら、自分のことを好きだって言われ続ける毎日。

………ちょっとした催眠効果、ある気がするんだよね。

「そういう風に色々考えていくと、頭がぐちゃぐちゃになって、なにが正解なのかわかんなくなって……結局何にも結論が出なかったの………」
「…………」
「――東堂くん? なんか変な顔してるよ?」
「う……いや、喜んでいいのか悲しんでいいのか、わからなくてな……」
「ごめん、はっきりと答えが出せなくて……」
「謝ることはない。真剣に考えてくれて嬉しかった。でも、そういう風に一時の感情に流されずに、冷静に考えられるところは……さすが、苗字さんらしいな」

東堂くんはふっと笑って、「やっぱりなかなか手ごわいな……」と、ため息と共にぼそっと呟いた。

「苗字さん、もう少しだけ、オレにチャンスをくれないか?」
「チャンス……というと?」
「こういう風に、二人きりで喋ったり……苗字さんが良ければ、デートしたり。そういう時間が欲しい。そうしたら、オレは必ず苗字さんを惚れさせてみせる」

どこまでも真っ直ぐで力強い瞳に、ドキリとした。こんなセリフ、ファンクラブの女の子が聞いたら卒倒モノだろうな。私でさえ、少しときめいてしまったのだから。

「また、すごい自信だね……」

「本気で好きになったんだ。苗字さんの心を手に入れるためなら、オレは何でもするよ」

「…………」

―――てっきり、『ワッハッハ! それはそうだ、だってこの美貌、トークセンス、(以下略)』とか言われると思ったのに。静かな声で告げられて、もう、返す言葉が無くなってしまった。こんなの卑怯だ。

「………わかったよ。私も……確かめてみたい。今東堂くんに感じているものが、一体なんなのかを」

顔を上げて、彼の瞳を見つめ返せば、東堂くんは安堵したように息を吐いて、「ありがとう」と言った。そして、私に笑いかけた。

「占いが、当たったな」
「占い?」
「ああ。クリスティーナが言っていただろう。――『〈占い師と客〉や〈元クラスメイト〉という平凡な関係は、この先終わりを迎える』……ほら、ずばり的中だ」
「……そりゃ、まあね。クリスティーナはハコガクイチのフォーチュンテラーだもん」
「オレはハコガクイチの美形クライマーだ」
「張り合わなくてもいいから」
「………だが、もう占いは必要ないな。オレは自分の力で運命を引き寄せてみせる」

東堂くんは、挑戦的に口角をニヤリと上げて笑った。ああ、やっぱりこの人はこの顔がよく似合うな。

「……せいぜい、頑張ってください。応援しておりますわ、東堂様」
「ああ。ありがとうミス・クリスティーナ。そうだな、恋が実った暁には、報告しにいくよ。あの、資料室に」
「あら……お忘れですか? あなた、出禁ですわよ」
「な、なにっ!? それはもう解除でいいだろう!!」

東堂くんが必死にそう訴えかけるのを見て、私は吹き出してしまった。全く、この人はこんな面白い顔でさえかっこいいんだから、ずるい。矛盾してるって? 矛盾してないんだよね、それがすごいじゃん。

私は「どうしましょうかね〜〜?」とイタズラっぽく彼に微笑んでみせた。自分が、うっすらとその未来を期待しているという事実に、その時はまだ気が付かずにいた。





リクエストをくださった春日井様、紫水様、傘様ありがとうございました!→コメントレス

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