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にらめっこする


隣の席の苗字名前は、よく笑ってよく喋る女の子だ。

苗字の隣の席になってもうかなり経つけど、彼女がオレに話しかけて来なかった日は一度も無かった。大体、彼女が毎回違う話題でオレに絡んできては、オレが相槌を打って、それで終わりだ。オレから苗字に喋りかけたことは無かった。

……これらは過去形だ。

最近は立場が逆転して、こちらから積極的に話しかけるようになった。
何でそんなことになったかといえば、ある日を境に急に彼女がオレに話しかけて来なくなって、それに焦ったからだ。オレは苗字のことが、ずっと好きだったから。

苗字と会話のキャッチボールをするようになってから、密かに、よく考えていることがある。

オレは、楽しそうに喋る苗字が好きだ。くるくるとよく回る口、七変化する表情、大きな身振り手振り。ずっと耳を傾けていても飽きないし、彼女の声は心地いい。
オレの周りだと、純太も口が回る方だけど、アイツほど達者で器用なわけじゃない。だけど一貫して『みんなを笑顔にしたい』って気持ちが伝わってくるような苗字のまっすぐな言葉を、オレは好ましく思う。

だけど。
……いや、だからこそ、なんだろうか。

オレは、もっと苗字の他の一面を見たかった。
具体的に言えば、口を引き結んで……黙っている時の苗字だ。
そんなの隣の席なんだから授業中にいつでも見られるだろと言われればそうなのだが、ちょっとそれとは違って。(大体苗字は授業中よく居眠りしてるし)

オレの目の前がいい。
オレの目の前で、お得意の口を封じられて。黙っている苗字。

どんな状況かは置いといて、そんな場面を想像すると……心臓がドクリと揺れて、全身にぞわっとした期待が満ちる。

でも、そんなシチュエーション、作れるわけないよな。





黙らせたいんだ。
と言えば、純太は「え?」と目を瞬かせてオレを見たあと、「えーっと……」と酷く不格好な笑顔を浮かべて頬を掻いた。

見える、見えるぞ。
困惑の色を映した瞳の奥で、そのよくキレる脳味噌が、猛スピードでケイデンスを上げてるところが。……つまり何か大きな誤解をされている。

慌てたオレが、もう少し言葉を選んで説明すると、「なんだ、そういうことか」と純太はほっとしたように胸を撫で下ろした。

「要するに、彼女の意外な一面を見たいってことな」

ああ、そうだ。
さすがの物分りの良さだな。

「焦ったわ。黙らせたいとか、今日日少女漫画の暴君系ヒーローでもそこまで言わねーよって思ったもんな」

純太、少女漫画なんて読むのか。
と言うと、ヤツは「いや、読まねぇけど」とへらっと笑う。なんだ読まないのか、参考に借りようと思ったのに。

「確かに、苗字さんっていっつも友達と楽しそうに喋ってたイメージだな。それかイジられてるか。神妙な顔で黙りこくってるところとか、見たことないかも」

コクリと頷く。
純太は、1年の頃苗字と同じクラスなのだ。

腕を組んで「そうだなー」と考えこんだ純太が、「お前らがもう付き合ってたら話は簡単なんだけど」と言うので、なんだと……と聞き返す。
と、純太は得意げにニヤリと微笑んだ。

「そんなの、キッスに決まってるだろ」
「………」
「忙しなく喋る彼女に近づいて、無理やり唇を奪うんだ。ズキューーン!って後ろに効果音が付くぐらい、情熱的なやつをさ」

……。
なんかそんなの、ジョ◯ョであったな。

いくら付き合ってるからって(そもそもオレと苗字はまだ付き合ってないが)、いきなりそんなことして嫌がられないだろうか。
と、オレの疑問を察した純太は、「女子はそれくらい強引な方がときめくもんなんだよ、もちろん好きな男限定だけどな」と肩をすくめて経験者のように語る。

「そして、キスの後、ポカンとする彼女に向かって言うんだ。『……どうした? お喋りは終わりか?』って」

自分で言ったキメゼリフに、くぅー! と一人で謎に盛り上がる純太。
反応しづらく黙って見つめていれば、オレの視線に気がついたヤツは気まずげにコホンと咳払いをして、「まぁ、そんなことする柄じゃないよな、お前は」とぎこちなく笑顔を作った。そしてまた、考え込む。

「付き合ってもない女の子を目の前で黙らせる、ねぇ……あ、例えばこんなのはどうだ?」

……さすが純太。こんなに早く策を考えついてしまうとは。
オレは表情を引き締めて、純太の言葉に耳を傾けた。





隣の席の青八木くんは、とっても無口な男の子である。
彼のお隣さんになってもうかなり経つけど、会話が弾んだと思えるようなことは一度もない。大体、私が一方的に絡んでは、彼が相槌を打って、それで終わり。青八木くんから私に話しかけてくれたことはない。

……というのは、もはや全て過去の話。

無口時代が懐かしく思えるほど、最近の青八木くんは喋るようになった。なんでも、私のことが知りたいのだとか。一時は、過去にうざ絡みをしまくっていた私への意趣返しかとも思ったけど、どうやらそうではなく、純粋に興味を持ってくれてるらしい。
と言っても多分、その興味は例えるなら動物園で喋るゴリラを見つけたから物珍しさに立ち止まった、みたいな種類のものだと思うけど。
あいにく、そこに甘酸っぱい期待を抱けるほど馬鹿じゃないというか、自分自身への客観的な評価を見誤ってないつもりだ。

「苗字」
「よし来た」

というわけで、例の休み時間である。
さあ、今日も頑張って喋るゴリラをやるぞ〜!

「今日は……ゲームをしよう」

と、意気込んでいたら、予想外のボールが飛んできた。
ほほう、ゲームですか。確かにもう質問することなんて無くなってきたもんな。

「ゲーム? いいねいいね。何する?」
「にらめっこだ」

即レスだった。
それ以外ありえない、みたいな確固たる意思すら感じた。
しかし、にらめっこか……。この私に。

「青八木くん………やめといたほうがいいよ。私に変顔勝負を挑むとか………無謀にもほどがあるっていうか……」
「……………」
「青八木くんは知らないかもだけど、私の変顔は女子の中ではちょっと有名でね。自分で言うのもなんだけど、相当強いよ?」
「……………」

友人達から『名前の変顔は女どころか人間捨ててる』とお墨付きの変顔である。少々表情筋が硬い人でも爆笑させる自信があるし、電車の中でギャン泣きする赤ん坊には全戦全勝。私の顔を見ればたちどころに泣き止み、そこに満開の笑顔が咲く。私の変顔はそのぐらい凄まじいのだ、世界平和に貢献していると言っても過言じゃない。

と、そこまで考えて私はハッとした。

(待てよ……青八木くんの前でも出せるか? 本気)

男子の前でもやったことはある。けど……あれは割とどう思われてもいいような男子だった。しかし今目の前にいるのは、曲がりなりにも恋をしている男の子なのだ。
そんな相手に人間を捨てた変顔……は、さすがにちょっと、抵抗があるというか。恥じらいのようなものがある。まあ、元から女として見られてないだろうけど、人間とは思ってくれてるだろうし(多分)。好きな男子から人外認定……考えただけでそこそこ色んな内蔵が痛い。
でも、青八木くんを爆笑させたいというのは前からの私の悲願だ。

……くっ。
実家の父さん母さん……私、やっぱり青八木くんの爆笑、諦めきれないよ! 例え私と青八木くんが築き上げてきた何かが終わっても! 人以下に成り下がっても……ッ!

心の中で血涙を流しながら覚悟を決めたその時、青八木くんが「苗字」と落ち着き払った声で私を呼んだ。

「違う。その『にらめっこ』じゃない」
「……え?」

にらめっこにそんなバリエーションあったっけ?
と思いながら、「じゃあ……どの?」と尋ねる私に、青八木くんは顔色一つ変えず、言った。

「目を合わせて見つめ合って、先に目を逸らした方が負け」
「…………」
「……というルールのにらめっこだ」
「……。えっと、それって」
「変顔はしない。真顔で見つめ合う」

「…………………」


なん…………だと………。

ぱちぱちと目を瞬かせて、私は必死に彼が言ったことを咀嚼する。
真顔で、見つめ合って、目を逸らしたほうが負け。真顔で、見つめ合って……、……真顔で見つめ合う??? 青八木くんと??? ゑ???

「あ……あはは、そんなにらめっこあるの? 知らなかった〜……」

から笑いしつつ、水面下で脳みそを怒涛の勢いで回転させる。

――ダメでしょ。絶対ダメ。だってまともに顔を合わすことすら、道化の仮面を被ってないと最近難しいんだぞ。ゲームだと分かってたって、きっと瞬間湯沸し器みたいな勢いで顔から火を吹いて死んでしまう。
そしてそんな分かりやすい反応を示したら、「あなたのことが好きです」って言ってるようなものじゃないか。負けと同時に私の恋もゲームオーバー。笑えない。それは、なんとか阻止しなければ。

「いや、でも、なんていうかそれ、ちょっと恥ずかしくない? 想像しただけで、割と来るものがあるんだけど……青八木くんもそう思わない?」
「思わない」
「そっか〜〜!! でもほら、他にもゲームって色々あるじゃん。山手線ゲームとか、♪ヤギから始まるリズムに合わせて〜〜とかさ、そういう一般的な楽しいやつにしない……?」
「懐かしいなそれ」
「でしょ!?」
「明日やろう」
「あ、やってはくれるのね……オッケー明日やろう」
「ああ。今日はにらめっこだ」

なんで!? どーしてそこまでにらめっこに固執するんだ青八木くんは!? そんなににらめっこ大好きボーイだったの……!? 確かにその手のゲームめっちゃ強そうだけどさ!!

……と、諸々叫びたくなるのを堪えて、私は引きつった笑みを口の端に浮かべながら「マジか〜……うーん、でもな〜……」と唸る。ここまで食い下がるのも逆に怪しいだろうか。でも、だって。

「というかそもそもその睨めっこ、青八木くんに有利じゃない? 明らかに得意そう……だよね」
「……………」
「そういうのってなんか……ねえ?」
「……………」
「ふ……不公平じゃね? みたいなことを、思わなくもない、というか………」
「……………」
「……………」
「……………」

「………………………分かった分かりました……やろう……」


だっ、ダメだァ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

私は青八木くんの目も憚らず机の上で頭を抱えた。ほんっと無理、笑っちゃえるぐらいダメ。最近の青八木くん、なんか目力強くなってない? その射抜くような視線だけで、私の心の防御壁はメッタメタ。しかも無言なのが余計に圧力をかけて、本体へのダメージが洒落にならないんですけど。あんなまっすぐな視線を、真っ向から受け止めなくちゃいけないなんて、考えただけで頭が沸騰しそう。

……ていうか、意外と青八木くんって、押し、強いんだな……。

「……そんなに嫌だったか」
「いや……いや、うーん、嫌っていうか、恥ずいなっていうか……ううん大丈夫! やろ! 覚悟は決まったから!」

私はそう言って力強く笑顔を押し出してみせる。ええ、女は度胸よ苗字名前。胸がなくても胸を張るのよ!
青八木くんの方へ身体を向ける。目線は少し下げたままで。ふぅー、落ち着け落ち着け。なんかめっちゃテンション下がることでも考えようか。あー、木枯らし2年後に活動休止、つら……。辛み有り余る……。
あ、ていうか開始直後に逸らして、勝負を放棄しちゃうってのもありでは? ありだな。さすが苗字司令官、名案であります! そうしよ。

「用意はいいか、苗字」
「おけまる水産」
「せーので行くぞ」
「了解道中膝栗毛!」
「…………」
「ごめんマジでごめん……了解」
「………せーの、」

青八木くんの呼びかけを聞いて、視線を上げると、すぐに目が合った。


「1」


そして、私は小さく息を呑む。

何故なら、考えていた目論見が全部破綻したから。

――目線を逸らすことが、できないのだ。


「2」


表情を微動だにせず、静かにカウントをする青八木くん。

まるでこちらの何もかもを、見透かすような瞳だ。
何にも悪いことをしていないのに、すみませんと今すぐ謝りたくなってしまうような、純粋でまっすぐなそれ。
一瞬で理解する、これは思ったよりヤバイやつだって。
まるで視線に焦がされてるみたいに熱くなる頬。その熱は身体中を巡り出す。


「3」


うまく呼吸ができなくて、震えた吐息を唇に滲ませた。

――どうしよう。どうしよう、と私は混乱の中必死に考える。本当に、マジで、目が逸らせないんだ。青八木くんに、完全に、ホールドされている。こんなことってある?

多分もう顔は真っ赤だし、内心もこれまでないほどにパニクってるというのに、対照的に青八木くんはひどく落ち着いていて、それが恥ずかしさを余計に際立たせる。
上半身を動かせないから、行き場のない羞恥は下半身へ逃げるしかなく、もぞ、と耐え切れず膝をすり合わせた。ああもう、心臓の音がうるさい。


「4」


ていうか青八木くん、やっぱめっちゃ美形じゃない?
金髪はキラキラしてるけど、瞳に宿す光はとてもシャープで、醸し出す雰囲気もあいまって、華美というより神秘的に思えてくる。

ふと、目を合わせると石になってしまう女神の逸話を思い出した。
あれは、本当に石に変わってしまうんじゃなくて、恐怖で身がすくんで動けなくなってしまうって話だったと思うけど。

本当は、逆だったのでは? 怖くて固まったんじゃなくて、あんまりにも綺麗だったから、見惚れてしまったんじゃ。

………現実逃避だ。


「5」


こんなの一種の拷問だよ。だって見るということは見られるということだ。美人でも可愛くもない凡庸なこの顔を、おまけに赤くなってて相当見苦しくなってるこの顔を、片想いしてる好きな男の子に、穴が開くほど見られなきゃいけないなんて。
恥ずかし過ぎて、頭がフツフツしてくる。湯気が立ち上っててもおかしくない。
いっそのこと楽にしてくれ、今なら楽に逝ける。


「6」


――もう無理、もう致死量超えた、もうお嫁にいけない。おうちかえりたい。おうちかえりたい!!

恥ずかしさに半分ぐらい気を失いかけたその時、そんな私を救うように予令のベルが鳴った。

『!』

お互いハッとなって、その瞬間私を石に変えていた妙な雰囲気も呪縛も散り散りになった。すぐさま彼の視線ホールドから抜けだして、私は咄嗟に時計を見やる。

「あ、もうこんな時間だね〜あはは…」
「………」
「って、アー! 目逸らしてたわ! 私の負けだ〜! ワーメッチャクヤシー!」

少々オーバーに嘆いてみせるけど、清々しいほど棒セリフになった。……ダメだ、この路線で誤魔化すのは諦めよう。青八木くんからの視線も痛いし。
私は机に目を落としたまま、ぎこちなく口を開いた。

「あー……ごめんね、私顔真っ赤だったでしょ? こういうの、耐性無くてさー……」
「…………」

こういうのってどういうのだよっていうか、類似する体験なんてしたことないんですけどね。
そこは曖昧にぼかして、柄じゃないよね〜、と眉を下げて無理やり笑顔を作る。

「だから、あんまり私の醜態は気にしないでくれるとありがたいです……ていうか後生だから忘れてください。マジで」

改めて向き直って、お願いします…と手を合わせて深く頭を下げると、ややあってから「……分かったから、顔を上げてくれ」とぽつりと言葉が降ってきた。
それにちょっと安心して、ほっと心を緩めて顔を上げると、ちょうど次の教科の先生が入ってくるところだった。もう授業始まっちゃう。

「じゃあ、罰ゲームは次の休み時間ね」
「……え?」
「え?」

きょとんと聞き返されて、私も目をぱちくりとさせる。

「えーっと……ゲームに罰ゲームは基本じゃない? デコピンとか、タイキックとか……」

あんなに自分に有利なゲームをふっかけてきたので、てっきり私を負かして、何かやらせたい罰ゲームの一つでもあるのかと思ってたのに。青八木くんは、普段の真顔にやや驚きを入り混ぜたような表情で「そんなことできるわけないだろう、苗字に」と言う。

「え……そ、そう? じゃあ青八木くん、授業中になんか考えといてよ。私はどんな罰でも甘んじて受け入れるからさ」
「………!」

青八木くんの瞳が揺れる。でも、わずかに色を増した目元を隠すように、そのあとすぐ、彼は顔をふいっと背けてしまった。
……あれ? にらめっこ中は眉一つピクリともせず、静かなること林のごとし、動かざること山のごとし、みたいな感じだったのに。どうしたんだろう。

と、不思議に思ったその時、号令の「きりーつ」という声が教室に響いて、思考は中断される。「……わかった」と呟いた彼の声は、ガラガラと椅子を引く音に紛れて、ほとんど聞こえなかった。

……その後の授業は、とても集中できなくて。未だ彼の視線に炙られているかのように、身体の芯に灯った火はなかなか消えてくれなかった。
ステンレス製の定規をぺちぺち頬に当てて熱を冷ましながら、私はぼんやり思う。

(青八木くん、ぜんっぜん照れてなかったなぁ……)

私はあんなに、罰ゲームで熱湯風呂に落とされた芸人みたいな勢いで顔を火照らせ、ガチ照れしてしまったというのに。
……やっぱり、私のことなんて1mm足りとも女として認識してないんだろうな………。
だってちょっとでも意識してる女の子だったら、もう少し反応あるよね。いくら青八木くんでも。

……わかってたけど、やっぱ、結構クるなぁ……。





何をされるか少しドキドキしていた罰ゲームだったけど、なぜか「連絡先を教えてくれ」とだけ言われて終わった。少し驚いたけど、すぐに「それ全然罰ゲームじゃないよ、むしろウェルカムだよ」と笑えば、彼は照れくさそうに目を伏せて、「……そうか」と呟いた。でも、その声色にはほんの少しだけ嬉しさが滲んでいて、それが伝わってきて、胸の奥がぎゅっとした。

隣の席の青八木くんとの一進一退の攻防は、おそらくもう長くは続かない。「彼に恋をしている」という時限爆弾のカウントダウンは、刻々と0に近付いている。果たしてその時、私はちゃんと想いを伝えられるだろうか? 今回の件で、もう好意がバレてしまっていたとしても。……振られるって、分かっていたとしても。

そういえば……連絡先を聞く時、彼が凄まじい葛藤を見せていたのが、ちょっと気になった。なんだったんだろう。にらめっこをしようと提案してきた時は、あんなに強気だったのになぁ……。





「(苗字………可愛かった………)」





〜オマケの後日談〜


「え? 早速やってみた? おお、で、どうだった? …はは、可愛かったか、そりゃ良かった。ちなみに何秒だった? …おー、6秒。6秒かー、惜しかったな。ああいや言ってなかったんだけどさ……っと、やべ、誰もいないよな。いや、あんまり大声じゃ言えねーから……実は7秒以上見つめ合うことができる相手とは、心理的に可能らしいんだ、つまり……セックスが」

「……………!!!!!」

「あと一秒だったな、残念。なんてな」


その翌日、おずおずと苗字に再戦を申し込んでみたが、全力で拒否られて少しショックを受ける青八木なのだった。
(ちなみにそのあと仲良く♪ヤギから始まる〜をして遊んだ)

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