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荒北くんと大喧嘩


付き合っちゃいけない3B、ってのがある。
美容師、バンドマン、バーテンダーの3つ。
この3つが選ばれてるのは、まぁ女癖の悪さが主な理由なんだと思う。こいつらと付き合ったことないから分かんないけど。

でも私、それよりもっと付き合っちゃいけないB、知ってる。

──〈自転車バカ〉、だ。



「別れます。」

めちゃくちゃ深刻なトーンで告げた私に対し、いつメンは友達に向けるものとは思えないしらーっとした目線をよこした。

「また始まったよ」
「痴話喧嘩おつ〜」
「痴話喧嘩じゃねーよ、今度はマジ! 本気と書いてマジと読むやつ!」
「とかいって結局惚気けられるやつやん〜」
「名前の『別れると言ってからそれを撤回するまでの最速記録』今何日だっけ?」
「三日」
「最速記録更新なるか見ものですわ」

いや友達としてどうなん? この反応。
なんか賭けまで始まりだしたんですけど。

「──みんな! 真剣に聞いてよ! こっちは遊びじゃないんだよ!」

と机をバン! と叩くと、再びうんざりした視線をよこすみんな。

「………」
「………」
「………」
「………」
「……………。何があったの?」

その言葉待ってたよ!!

「昨日私の誕生日だったじゃん? 忘れられてた」
「しょっぼ」
「違うんだって〜! そうじゃないんだって〜!」


去年はちゃんと、電話かかってきたんだよ。で、夜にわざわざ家にも来てくれてさ? プレゼントだってくれた。アイツ、あんな感じで結構マメじゃん、女の喜ぶツボ分かってんじゃん、なんてかなりカンドーしたワケ。(へ〜意外〜)でしょ!?

でも今年はさ、ま〜部活だって自分らが引っ張る代になって忙しいのは私だって理解してるし、別に去年ほどちゃんと祝ってくれなくてもいいや、LIMEで祝ってくれるだけでいーやって感じだったの。

で、昨日。日曜だし、週末なら靖友も夜更しするかなって思って、12時過ぎまでそわそわしてたけど、一切連絡なくて。
まぁ夜はそんなもんだし、って感じでとりま寝て、朝起きてからもずーっと待機してたけどマジなんも無くて。
とうとう日付変わって。私「は? は? は?」って感じで。
怒りっつーかショックで。マジ課題とかなんもやってねーしみたいな。(いや課題はおめーが悪いだろ)や、まぁそうだけどさ〜! でもずっとそわそわしてたからどーせやっても集中なんてできなかったし!

そんで今朝起きても相変わらず何も無かったから、さすがにイラッとして。私低血圧だし。(その情報いる?)も〜〜怒りの鬼LIMEすよ。

『昨日私の誕生日だったんですけど』

って。
したら、

『悪い、忘れてた』

って。
たったの7文字!!! こんだけ!!!
おめでとうございましたの一言もない!!!
昨日私におめでとうLIME送ってきた誰よりも文字数少ねーわ! まだうっしー(牛川くん。柔道部の坊主でクソ愛想ない)のほうが『誕生日おめでとう』で8文字でギリ勝ってるよ!(うっし〜やさし〜)

どう!? これでも私彼女だよ!? ひどくない!?


「──それは酷いわ」
「ごめん分からん」
「あたしも分からんわ」
「うわ〜〜反応がリアルに割れたーっ」
「男子ってそんなもんじゃない? 荒北くんとか特にそーゆー反応でも違和感ないわ」
「いやいやいや、んなことないよ。靖友、二人だけだと結構優しいし意外とデレデレしてくるよ?」
「ナチュラルに惚気を挟むな」
「惚気じゃないって!!」

結局、友人達にはあんまり分かってもらえなかった。
つらみ〜。



いやいやつらみとか言って効いてない風だけど、案外今回のはマジで堪えてるんだよね。
少なくとも一週間は口聞いてやらないかなって。LIMEも未読無視で。

靖友の部活への理解はそれなりにあるよ。だってなんだかんだもう1年は続いてるし。あのチャリ部の人間とだよ? フツー続かない、他に続いてるカップル見たことないもん私。

でもぶっちゃけ、別れる女の子の気持ちは分かる。チャリ部の連中ってさ、次の日の部活動に備えるため? 身体の十分な休息? のために、22時にはベッドに入っちゃうんだって。今時小学生だってそんな時間に寝ねーよ。

土日はいっつも一日練習。テスト休みもそんなに無い。長期休み中だって、部活が無い日の方が少ないし。

デートもできない、長い休み時間は自主練に行っちゃうから学校でもろくに会えない、LIMEや電話だってそんなにできない。……ね? こんなんで満足できるかっつの。基本JKはさ、わがままな生き物なんだよ。

でも私はさ、靖友の評価がどん底だった暗黒時代からアイツのこと見てて。付き合い始めたのはもーちょい後からだけど、アイツが自転車にのめり込んで、出世魚みたいにぐんぐん強くなって、みんなに認められてくのをそばで見てて、すごい嬉しかったんだよね。自転車に乗ってる靖友、素直にかっこよかったし。

だから、多少のことはしょーがないって飲み込んでた。どんどん忙しくなって、どんどん会える時間が少なくなっても、その心の片隅に私がいるならいいや、って。浮気されるより何倍もマシ。それに、久しぶりに二人の時間が取れる時、靖友はすっごく優しくてさ。アイツもアイツなりに、私のこと大事に想ってくれてるって分かって、嬉しかったし満たされてた。

だけど……とうとう私の場所、無くなっちゃったんだなって。
靖友の心に、1%でも、私がいればいいって思ってた。でも、100%、自転車になっちゃったんだね。それはもしかしたら、靖友にとってみれば、いいことなのかもしんない。チャリ部にとってもね。なんか自転車に寝取られたみたいでムカツクけど。

つーワケで、怒ってるっつーか、まぁ怒ってるのもあるけど、時間が経った今は虚しいのが強い。

あーあ。
私だって、彼氏と一緒にネズミーとか行きてーよ。





さて、その日の昼休み。


「苗字さん、彼氏」
「え?」

LIME見てないから言われるまで全然気づかなかった。うっしーが顎で指し示すほうを見ると、確かに教室の入り口に靖友が立っていた。
不機嫌そうな顔で、来いってジェスチャーしてる。完全未読無視の私に怒ってるんだ。

でも私は知らんぷり。それどころか、それをわざわざ伝えに来てくれたうっしーを捕まえて、外面用のニコニコ笑顔で喋り始める。

「ね〜聞いてうっしー。今日のあたしの夢なんだけどさ、なんとあたしの前前前世から最推しの8代目ブラザーズのDJゴローが何故か箱学でゲリラライブることになってマジやばたにえんって感じで死ぬほどアガったんだけどなんか校長室で出された茶ァが渋すぎるとかでクレームつけてへそ曲げて帰っ」
「──オイ」

まぁ来るよね〜。

「面。貸せよ」
「は? なにこのチンピラ、コワーイうっしー守って〜」

渾身の媚び声を出すも、うっしーは、死ぬほど関わりたくありません、みたいな顔で首を振って、ささっとその場を去って行った。ちぇっ。

「名前」
「……アンタと喋ることなんてないんだけど」
「オレがあンだよ」
「言い訳も謝罪も今は聞きたくない。顔も見たくない」

これほどキツく突っぱねるの、なんか久しぶりだな。
頬杖をついて、かたくなに靖友の方を向かず、視線は爪に落として。私は冷たい声を出す。

「つか、私のとこなんて来てないで大好きなビアンキちゃんのところでも行ってきたら?」

お昼休みなんて貴重な練習時間じゃんね。
ひっでぇ言い草だけど、これは私なりの優しさでもある。

「…今日はオフなんだヨ」
「オフ? めずらしーね」

平日なのに。
──っと、やばやば。ついいつも通りの反応になっちゃった。冷たい女、冷たい女。

「とにかく私は今アンタと口聞く気ないから」

てこでも靖友の方を見ない私。
そのままスマホを弄りだしたのを見て、「…わーったよ」と舌打ちしてヤツは去っていった。舌打ちしたいのはコッチだわ。
妙にかったるそうにクラスを出て行く靖友をそっと伺って、その姿が見えなくなってから、私は大きく息を落とす。

前に、『身体の浮気より心の浮気のほうがキツイ』って、友達が言ってたことあるけど。なんとなく、気持ちが分かった気がする。

つまりはもう、どーしようもないんだよね。心が私に無い、っていうか今まで私に割いていたほんのわずかな時間でさえ、自転車に注ぎ込みたくなっちゃったんでしょ。そんなの、泣いても喚いてもキレてもくつがえらない。別に私のことが嫌いになったとかじゃないんだろうから、ちょっと複雑だけど。

だったらさ。

バカな彼女らしく、こういうくっだらねー理由で難癖つけて、一方的に振ってあげることが、今私にできる一番の彼女らしいこと──靖友のためになることなのかもね。





とかシリアスに考えつつ、それはそれとして夜のうたばんに8代目が出るので私はテレビの前でスマホ片手にスタンバっていた。今日は新曲歌うらしい、っべ〜マジ緊張するわ、マジ卍。とりま出番まですることないからツイッターのファン垢でも遡ってよっと。

と、その時震えだすスマホ。電話だ。
かかってきたのは、意外な人物からだった。

「もしも〜」
『──苗字さん、こんばんは。悪いね、突然電話なんてして。今大丈夫?』

相変わらずイケボ〜。
自転車競技部の新開くんだ。

「んー、大丈夫か大丈夫じゃないかでいうとギリ大丈夫よりの大丈夫じゃないっす。8代目の出番が来たら即切るから手短におなしゃす」
『8代目? ああ、歌番組ね。なら早速本題に入るよ』

靖友のことなんだけど。
と、新開くんはずばりと切り出す。

ですよね。もう電話かかってきた瞬間からそうだろうなって思ってたよ。
靖友のやつ、新開くん使って私を懐柔しようなんて、汚い手使ってくるじゃん。

ま、乗ってやるけど。新開くんイケメンだしね。

『なんでも大喧嘩してるんだって?』
「大喧嘩っつーか、私が一方的にキレてるだけ」
『なにやらかしたの、アイツ』

? 靖友から聞いてないのか。
簡単に昨日のいきさつを説明すると、新開くんはなるほどね、と呟く。

『それは怒ってもしょうがないな』
「でっしょ?」
『ただ、靖友にも情状酌量の余地はある』
「……どういうこと?」
『昨日、アイツ倒れたんだ』

………。
え?

『なんかアイツ、ここ最近オレ達に隠れてかなり派手に身体追い込んでたらしくて。その疲労がたたって、ゴールしたあとそのまま意識を失って落車したんだ』
「……………」
『疲労と軽い熱中症、あと落車で擦り傷まみれで、そのまま寮の医務室直行。満身創痍で自分の部屋に戻って……多分スマホを開く余裕も無く寝たと思う』
「…………、」

なにそれ、そんなの聞いてないよ。
そんなの……知らなかったよ。

と、そこで私は思い出した。
今日、靖友がオフだって言ってたこと。そして妙にだるそうに歩いてたこと。
あれって、つまりはそういうことだったんだ。

『言わなかったのは……ほんとのこと言ったら苗字さんに心配かけると思ったんだろ』

「…………」


──付き合っちゃいけない3B。自転車バカ、自転車バカ、自転車バカ。

あいつら、すぐに無茶する。奴らのレースを間近で見たことあるから知ってるけど、あいつら、マジで命をかける。馬鹿みたいに危ないことを平気でして、身体をすり減らす。海外の大きな大会では死者も出たことあるって聞いたけど、ほんといつそんな事故が起こってもおかしくないような練習をする。たかが、高校生の部活ごときで。


『…アイツ、昨日言ってたよ。今日のレースはなんとしてでも勝ちたいんだ、って。苗字さんの誕生日だから』

「………」


馬鹿げてる。

彼氏がボロボロになって、あちこちケガして、死ぬような思いで掴んだ勝ちなんて、喜べるわけないじゃん。


『プレゼントも何にもあげられないから、せめて1位になって、この勝ちをプレゼントしたいんだって』


………。


「それほんとに靖友が言ってたの?」
『あ、ごめん最後の付け足しはオレの想像』
「おぉいっ!!」

やっぱな!?
さすがにそれはねーだろと思ったよ!

『けど多分本当にそういうこと思ってたよ、アイツ。苗字さんだって、オレの言いたいこと分かるだろ?』
「………」

その時、部屋の窓がカツン、って震えた。

「?」
『苗字さん?』
「や、今……」

気のせいかな? って思ったら、再び小さい何かが当たったような音をして震える窓。

『──そろそろ着いたころか』

そして、新開くんの、訳知り顔ならぬ訳知り声って感じの発言で、ハッとした私はスマホを耳から離した。

案の定、靖友からLIMEの通知。
内容は、「窓の外」その三文字だけ。

「新開くんごめん、切るね!」

電話を切ると、私はカーテン開けて確かめることもせず、自室を出てそのまま玄関へ直行する。
サンダル履いてるあたりで、あ、リップ塗り直して来るんだったとかちょっと思ったけど、やっぱそんなんどうでもよかった。

会いたい。今すぐ。

「──靖友ッ!」

ドアを勢い良く開けた。
そして、そこには。

「ハッ、おせーんだよ」

一年前、私の17歳の誕生日を祝いに来てくれた時と同じように、靖友が家の前に立ってて。
一年前と同じように、早く出ろよバァカ、って、しかめっ面で悪態をついてて。

それを見た瞬間、なんか愛しさが大爆発しちゃって、勢いのまま靖友に抱きついた。靖友はちょっとびっくりした声を出したけど、しっかり受け止めてくれた。

「靖友、ごめん、」
「…なにがだよ」
「私、何にも知らないで、靖友に……ヒドイこと言った…っ!」

身体を離してそう言うと、靖友がチッと舌打ちして、「新開のやろーだな…」と頭を掻いた。

「昨日のこと、聞いたよ。ケガ大丈夫なの…!?」
「ヘーキだ、こんぐらい。怪我でもなんでもねェよ」
「でも、意識を失ったって……」
「よくあることだ」
「………」

よくあることって。
私の知ってる中で、試合中に失神するのが『よくあること』なスポーツなんて、自転車だけだよ。

「……それより、悪かった。昨日、ちゃんと祝ってやれなくて」
「もうそんなのいいよ、どうでも」

心からの気持ちだった。
私はゆっくりと首を横に振って、靖友をじっと見つめる。
大げさかもしれないけど、もう、あんな話を聞かされたら、自分が怒ってたことも、悩んでたことも、全部どーでもよくなっちゃったよ。

「要らない、いいよもう、生きててさえくれれば」
「名前……」
「何も要らないよ、デートも、二人だけの時間も思い出も、もういいから」

靖友が無事でいてくれればいい。
頑張って、そこだけは笑顔で言うと。靖友がハッとしたように目を見開いて、それから私を強く引き寄せた。小さな声でわりィ、って囁かれて、私はううんって、もぞもぞ首を動かした。

靖友の体温と心臓の音が心地よくって、抱き締められるだけで胸の奥がキュンキュン疼く。やっぱり私、この人のことが好きだ。

「……インターハイが終わったら、どこへでも好きなところ連れてってやっから……」
「うん」
「何でも、名前の好きなようにしてやっからァ……」
「……うん」
「だからそれまで、待っててくれ」

ぜってェ優勝して帰ってくっからよ。
靖友は、ぎゅうぎゅうと私を痛いほど抱きしめながら、そう掠れ声で呟く。

……ほんと、男子って好きだよね、そーゆーの。ジャンプのスポ根漫画みたいなこと言いやがって。求めてねんだよそんなの、私は無事でいてさえくれればいいって言ってんのにさ。ばかだよ、ほんとに。

私は……ばかだ。


「……わかったよ、でも一個だけ約束して。もうアンタに、無理も無茶するなって言わない。好きなようにやればいいよ。でも、昨日みたいになんか大変なことがあったら、絶対に私に言って」

「……、それは…」

「心配ぐらい、させてよ……普段何にも彼女面できないんだから、せめて、そのぐらいさせて」


この先も一緒にいれないし、きっと自転車を超える存在になることもできないし、危険なことに挑戦するのを止めることもできない。
それでも私は靖友のことが好きで、靖友の特別でいたいって思う。どんなにしんどいことがあっても。


靖友も靖友だけど、私も私で相当ばかだよね。まあ、これがホントのバカップルってやつなんじゃん?





「靖友、あ〜〜ん!」
「………」
「靖友! あ〜〜〜〜〜ん!」
「……………」
「靖友っ!あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、んあぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「ッるせェヨ!!! ったく、」

しぶしぶといった感じで、私の差し出した玉子焼きにパクリと食いつく靖友。

「どう? 美味しい?」
「……うめェ」
「でしょでしょ? 私の家事力に恐れおののけ〜?」

はいっ、次はハンバーグ!
と、お箸を持ち上げると、靖友は「自分で食えるっつのォ…」とぼやきつつ、先程よりはすんなりと食べてくれた。さすがに肉だと反応いいな。

練習メニュー外の逸脱したハードワークと意識ぶっ飛び落車事件により、荒北靖友くんには3日間の自転車禁止、一週間の部活参加禁止が命じられました。チャリ部超ブラックとか思ってたけどやるじゃん。マジざまあ味噌漬け味の素って感じ〜。

そしてその機を逃す苗字名前ではない! うふふ、今週一週間は靖友を独り占めして、散々イチャイチャ×100してやるのだ。

「……名前」

と、ニヤニヤニュルニュルしていたら、靖友に呼ばれた。

「ん?」
「今日、オレの部屋来いよ」

ニィっと口の端を持ち上げて、私に顔を近づけて耳元で囁く。

「弁当の礼もあるし…たーっぷりもてなしてやっからァ」
「!」

ハッとして靖友の方を向くと、いいデショ? とヤツは極悪人笑顔を浮かべて私を見つめる。
……お弁当だけじゃなく、私も食べちゃうつもりなんだ。
いいね、なんだか久しぶりにゾクってきたよ。
でもさ。

「靖友、ダーメ。あと二日はちゃんと療養しなきゃ」
「……チッ、つれねェな。もうとっくに全回復してるっつの」
「まだ一日目だよ? そういうのは後に取っといて、まずは二人でのんびりしよ」

時間はたっぷりあるんだから、ね。
出来る女ってのは、彼氏の体調管理も怠らないのだ。
そういうワケで、いつの間にかスカートの中に潜り込んで太ももを撫でまくってる靖友の手を捕まえて、私はニッコリする。ったく男子高校生は油断するとこれだから。元気でいーけど。





「つーワケで、仲直りしました!」
「マジかよ」
「はい知ってた〜」
「茶番」
「最高記録更新、一日っと」

ピカピカと輝く笑顔の私とは対照的に、友達のテンションは変わらず。っつーかそれより賭けの勝った負けたで騒いでる。それ違法賭博じゃね? 知らんけど。

まあそれはどーでもいいとして、私は東京のことりっぷをご機嫌にめくるのだった。夏休み、どこ連れてってもらおっかな〜。



【リクエスト:荒北さんと大喧嘩したあとに仲直りするお話】

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