10:騒動
お昼休みになって食堂に行く。
既に席はほとんど埋まっており空いている席を探すのは難しい。
『席空いてないかな…あ…』
丁度空いている席を見つけたと思ったら焦凍さんの隣の席だった。
『轟君、隣良いですか?』
「あぁ」
しばらく無言で食べていると警報が鳴り響く。
『えっ…わわっ!!』
パニックに陥った生徒達が我先にと食堂から出ようとして強い力で押される。
「こっちだ」
『っ、はい!』
手首を掴まれて掴んだ相手を見れば焦凍さんで私は人を縫って距離を縮めた。
「我慢しろよ」
私を壁に寄せて焦凍さんは壁に手をついて人混みに巻き込まれないようにしてくれた。
(壁ドンってやつかなぁ…?)
中々収まらない騒動に痺れを切らした頃に飯田君が空中を舞って非常口のよくある人のポーズをするのが見えた。
「大丈ー夫!!ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません大丈ー夫!!ここは雄英!!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」
『…ふふっ、飯田君格好良い』
「…収まったみてぇだな」
『轟君ありがとう』
「…ん。」
マスコミ騒動は収まり、学級委員長は飯田君に決まった。
飯田君は非常口飯田なんて呼ばれていて軽く吹き出しそうになった。
2020.6.1.
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