甘く、蕩けた。
朝の緩やかな光を浴びて身なりを整えて今日の近侍を待つ。
障子に人影が見えた。
顔が緩むのをそのままに入るよう言えば静かに障子が開き清光が入って来た。
「おはよう主」
『清光おはよう』
「失礼しまーす」
清光が私の背後に回り髪を結ってくれる。
『いつもありがとうね、清光』
「俺が好きでやってるからお礼なんて良いの」
出来上がった髪型を鏡で見て笑うと清光も誇らしげに笑う。
目を閉じると優しい温もりが唇から伝わる。
また、近侍は清光が良いなんて言わないけど彼の腕に包まれた私は何も考えられず温もりに身を任せた。
「主、大好き」
『私も清光大好き』
お互いに見つめあって言うと恥ずかしさで顔に熱が集中してくる。
そろそろ朝ご飯の時間になるから秘密の会瀬も終わり。
「もう少しだけ」
清光の甘く蕩けるようなその声は私をいつでも一瞬で支配してしまうのだ。
2017.12.6.
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