21.5
(薬研side)
大将の部屋に俺っちの布団を持って行き敷く。
兄弟達も一緒に寝たいと駄々を捏ねたが言いくるめてきた。
風呂上りの大将が部屋に帰ってくる。
『じゃあ、寝よ』
「あぁ。」
部屋の灯りを消す時に見た大将は顔を赤くしていた。
それが風呂上りのせいなのかは知らんが愛しさが込み上がる。
静けさが部屋を満たす。
大将は寝ているのかと思った瞬間に声をかけられる。
『薬研寝てる?』
「まだ起きてる」
『誰かと一緒だとなんかソワソワして眠れないよね』
「そうだな」
それも異性なら尚更ソワソワする事だろう。
この主が前の主と入れ替わってくれたのは本当に感謝している。
前の主は兄弟や他の刀剣達を蔑ろにし、その結果耐えられずに主を手にかけた。
その事は俺っちや他の刀剣達も後悔はしていない。
こうやって顔を赤らめて此方を盗み見る主に愛しさを覚えながら眠りについた。
2018.2.1.
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