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私は立ち上がり担当者を見下ろして静かに口を開く。
『お帰り下さい、この通り私は元気ですので』
「本当ですか?まだ本調子じゃないでしょう?心配です。一度政府の掛かり付け病院に見てもらいましょう?こんな道具達と一緒なんて」
『ここには道具なんていません。』
政府の人間は全てこういう考えの奴等か。
私は下心が丸見えの担当者を睨み付けた。
「ここに居るのは人間の皮を被った道具達ですよ、だから…」
『うるさい!!帰れって言ってんでしょ!!道具なんかじゃない…私達は仲間なんだよ。お前みたいな何も分かっていない奴が私達の関係に口を出すな!!』
私の堪忍袋の緒が切れて反射的に机に置いていた空の湯飲みを外に向かって力強く投げつけた。
勿論湯飲みは大きな音をたてて壊れた。
「主もこう言ってるし、もう帰れば?」
刀を持ったまま清光は名前の隣に来て担当者に殺気を向ける。
担当者の男は顔を真っ青にして慌てて帰って行った。
2017.12.31.
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