刀剣(長編) | ナノ




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子虎は警戒しているらしい。
大きく口を開き毛を逆立てて私を見ている。

『よしよし、大丈夫だよ。怖くないよ〜』

両手を広げて軽く叩くと子虎はゆっくりと近寄って来てくれた。
そっと撫でるともふもふと柔らかい毛の感触が伝わる。

『可愛い〜』
「ちょっと主、勝手に部屋から出ちゃ駄目」
『ごめんね清光、ほら小さい虎!!』

両手で子虎を抱き上げて清光に見せる。

「その虎は五虎退のだよ」
『そうなんだ…』

視界の端に白いものが映る。
私、幽霊とか見えない方の人なんですがなんて思いつつ視線を向けると男の子が壁に隠れて此方を見ていた。
あの男の子が五虎退かな?

2017.12.31.

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