大会前日の夜




3月の県大会の前の日の夜、コンビニまで買い物に行こうと宿を出た2人。


京輔「誰かに会いそうだね、みんなこの辺テニス部っぽいのうろついてる」
玲翔「まあここまで来るとみんな遠征だからなー、行くとこも無いし」
京輔「地元の人誰かいないかな」
玲翔「どうせ明日会うだろ」
京輔「それはそう」
玲翔「俺なんか遥玖と当たるかもなんだからな、はー、絶対ボコしてやる」
京輔「ドロー見てからそれしか言ってないじゃん」

玲翔「だから遥玖にも、お前負けるなよ、負けるなら俺らに負けろって言っておいた」
京輔「遥玖に勝つ気満々じゃん」
玲翔「マジで高校上がってから中学の人と当たって来なかったのにここに来て、しかも遥玖だしさー」
京輔「しかも遥玖ね、そこ重要なんだ。まあ俺も恵和とは当たったけどさ、啓貴と当たったことないな」
玲翔「しかも京輔と啓貴って中学までずっとペアだったから尚更じゃない?」

今回の大会、玲翔くんが、地元の友人で西星高校の遥玖くんと当たりそうみたいなんですよね。お互い勝ち進んだら。
ちなみに2人とも、さくら市出身。

京輔「でも玲翔って遥玖とペアだったことあんま無いよね?」
玲翔「まー、ほとんど涼也と組んでたからね、てか俺中学まであんまペア変わんなかったからな。小学生の時に1回遥玖と組んだ以来かな、試合でペア組んだのは」
京輔「仲良いイメージあるからそう聞くとそうなんだ…とはなる」
玲翔「まあ俺の性格上、涼也のほうが良いのはあるかも」
京輔「玲翔すぐグズるもんね」
玲翔「昔の話だ」

玲翔くんは昔結構、かなり子供っぽい子だったというか…。


京輔「てか、俺も多分西星と当たりそうなんよな今回」
玲翔「どこと?」
京輔「西内芳賀だったはず」
玲翔「あー、天寧と君弥ね…、地区予選あそこ優勝したんじゃなかったっけ」
京輔「あ、そうなんだ」
玲翔「遥玖が決勝で負けたって嘆いてた」
京輔「へー、でも西星1年強いしな…。てか西内くんだってそれこそ星の里来ても全然レギュラー入れそうなくらい上手いのに」

玲翔「咲真先輩が必死に天寧のこと勧誘してたもんな、でも天寧は、俺は西星行きたいんで…って感じだったし」
京輔「あー、咲真先輩的には中学の後輩来て欲しかったんだろうね、県大会優勝してる代だし」
玲翔「確か晴太以外みんな西星行ったはず。でも天寧は小学生の時から西星でやりたかったらしいから」
京輔「あ、そうなんだ。でもそっか、俺が小6とかの時に確か西星めちゃくちゃ強い人いたから」

西星高校の1年生は全体的にレベルが高いんですけど、その中でも南が丘中が強かったんです。玲翔くんとは中学は違えど少年団が同じ後輩が多いそうで。
その中でも西内天寧くんは、さくら市を代表する選手で、全国大会出場歴も多いです。2人も中学時代、年下の彼に負けたことありますからね。


玲翔「とりあえず俺は明日遥玖に勝つ」
京輔「随分意気込んでるね」





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