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意地悪く訊いた俺に気付いたらしいアキラは眉根を寄せて皺をつくる。
また口を噤んでしまうのかという俺の考えは無駄に終わった。
やんわりと握り返された指に力が込められ、先程まで服を鷲掴んでいた手は口元へと運ばれていて、罰の悪そうにそっぽを向かれてしまった。
猫のような仕草が可愛らしくてつい頬が緩む。
そんな俺の耳にとても小さな声で、彼の精一杯の愛情表現が紡がれた。
「別に…そういうつもりじゃ……っ、ただ、嫌な気分になっただけだッ…………他に優しくしてるアンタが悪い」
そう言って照れ隠しのためかアキラは目の前のオムライスへとスプーンを突き立てた。
頬張ったそれは案の定、冷めていたらしく渋い顔をした彼を見て俺は吹き出した。
帰ったら目一杯、甘やかしてやろう。
握られたまま、それを解こうとしない彼を見つめながらそんな事を思った。
Fin.
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