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ルキーノside


池に近づくとカナリヤが囀るような声が耳に届く。
なんとも胸元をかくしているサラシが残念でならねぇ。

「やぁレディ、こんなとこで水浴びかい?」

声をかければ驚くかと思ったがそうでもなく、肩口からこちらを振り返っただけに終わる。

「あら、こんな田舎に素敵な殿方が何のご用かしら?覗き…ではなさそうね」

「覗きなら隠れてるさ……君に声をかけようとしたんだが、タイミングを逃してしまってね…やはり近くで見ると一段と綺麗だ」

これで女は頬を染めて上目遣い、といつもならそうなるんだが、どうやら彼女は違うようだ。
ゆっくりと振り返り、奥へと後退ると淵に屈み込む俺へと視線を向けて妖艶に笑んだ。

「そう言っていただけて嬉しいわ…ねぇ、貴方囚人さん?他にもお友達がいるみたいだけど…貴方のように素敵な殿方なのかしら?」

「俺よりいい男はそうそういないぞ?」

「あら、そうなの?……ここは田舎で素敵だけれど若くていい男がいないのよね…」

クスクスと笑いながら彼女はまだ後退る。

「ねぇ、ここまで来てくださらない?もっと近くで声を聞かせて……きっと水の中の方が気持ちいいわ」

誘われたとあっちゃぁ断るなんざ男はしちゃいけねぇ。
服を脱ぎ捨て池の中へと足を入れる。
程よい冷たさが心地いいがそんな事より久々の女だ。
早く味わいてぇ

「男に飢えてるのか?」

「若い男がいないのよ…1つ訊きたいのだけれど…初めては重いかしら?」

「…は?」

「恋人なんて出来ないし、あんなヨボヨボな爺様とだなんて嫌よ…だからどなたかもらってくださらない?」

あんな誘いかたをしたくせに、生娘?
キスもまだだというこの女に涎が垂れそうだ。
あぁ、まだ触ってもいねぇってのに勃起しちまったじゃねぇか。

「俺でよけりゃ相手してやるよ…ただ……病み付きになっちまっても知らねぇぞ」

「ふふ…自信があるのね……貴方みたいな色男が初めての相手だなんて贅沢だわ…お願い、触れて……?」

近づいてきた女は俺にぴったりと寄り添うと、俺の胸へと顔を埋めて唇を押し当ててきた。
その顔へと触れ顎を掬うようにしてこちらを向かせる。
ゆっくりと閉じられた瞼にうっすらと桜色に染まる頬、おまけに唇も色付き俺を誘う。
唇に触れるとピクリと反応する身体が初々しい。
胸を隠すサラシを徐々に外していくと、緩んだそこから生白い肌が溢れてきた。
そろりと肩を撫でながら、口腔内へと舌を忍び込ませると遠慮がちに絡められる舌。
弄んで絡め捕り、吸い上げると小刻みに震える身体を支えてやると胸に添えられていた手が移動して、俺の首へと巻き付かれる。

「………ふぁ」

「なんだ、キスだけでイっちまいそうか?」

「分からない……けど、貴方のキスが気持ちいいのは確かよ……ん、ねぇ…もっとして」

あぁ、こんなに興奮したのは初めてかもしれない



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