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「何?…罠かもしれないだと!?」
「あぁ、ジュリオが言うには俺達に気付いてるだと」
「オイ、マジかよ…ッ」
「あぁ、間違いない…ジャンさん、どう…しますか?」
「…様子をみようゼ」
ここからは俺、ジャンカルロ・ブルボン・デル・モンテがお送りするぜ?
服を脱いだソイツは胸元にサラシを巻いていて、後ろ姿しか見えない俺達からはまだ男か女かの判断がつかん。
「男じゃねぇならまだ救いだな…」
「女、です」
俺の言葉に耳元からジュリオの声。
振り返ると小さく頷いたジュリオが骨格が女なんだと教えてくれた。
骨格って…ンなもん見ただけで分かるとかどんだけぇ〜……
池に向かうルキーノを見つめていると此方を振り向いたルキーノがニヤリと笑ってみせる。
「他に気配はありません、今のところ」
「ならば問題はないだろう?」
「馬鹿だなベルナルド、時間差って事もあるって話よダーリン」
「まったくハニーは…」
金魚みたいにパクパクしているイヴァンを無視してルキーノの成り行きを見守ることに専念する。
ルキーノが声をかけたのか、女はゆっくりと振り返り、池の淵にいるルキーノへ視線を向けた。
おぉ、かなりキレイな顔じゃないの!
入水していた彼女は少しずつ後退り肩口まで水に沈め、挑発的に目を細めると何言かを発した。
するとルキーノは服を脱ぎ捨てると何の躊躇いも無しに池へと入っていく。
「おいおい、マジかよ…」
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