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「ハァ…ぁ……ベル、ナルド…っん」

「ジャン…っ」

あの後酒も飲まずに俺達は近くにあったベルナルドの部屋へと急くように向かった。
未だ玄関先で二人弄り合うように舌を絡め合っている。
荒々しくジャケットを脱ぎ捨てたベルナルドを見て、俺は手伝うようにボタンへと手を掛けはだけさせていく。

「んん…っ、はっ……んぁ…」

「ハァ…何て顔してるんだい、ジャン」

「知る、かよ…」

「ん…ジャン、ベッドへ行こうか……」

返事をする間もなく唇を塞がれ、軽々と俺を抱き上げたベルナルドはベッドのある寝室へと足を向ける。

ベッドに辿り着いた瞬間雪崩れ込むように組み敷かれ、少し息を乱したベルナルドが顔中にキスの雨を降らす。
何だかそれがくすぐったくて身じろいだ俺に、ベルナルドは困ったように息を吐いた。

「……ジャン」

「ワリィ、何か普段より優しいからよぉ」

「まったく…ムードを壊さないでくれ」

優しいのはいつもの事だとのたまうベルナルドに嘘吐けと、心の中で悪態をつく。
再び口を塞がれ、口内を掻き回す舌に翻弄されてしまい全ての思考が停止してしまう。
細身のドレスの上を這う手がもどかしくて、ベルナルドの首筋へ手を滑らせると耳の後ろから項へと指を這わせて髪を絡めとった。

「もう欲しくなったのかい、ハニー?」

「…意地悪なダーリンは嫌いよ」

「はっ、意地悪…ね……じゃぁ望みを叶えてあげるよ?…どうして欲しいか、言ってごらん」

それが意地悪だと言いたいが、言ったところで状況は変わらない。
甘えるように抱きついて、膝で太股の辺りを撫でるようにして身体を擦り寄せる。
そしてたっぷりと間をとって、ワザとらしく吐息混じりに囁くんだ。

「もっと、ちゃんと触って……アンタをカンジさせてくれ…」



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