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それから指定場所でアキラを待って、道向こうに彼が立っている事に気付いて手を振った時にはすでに機嫌は悪かった。
話しかけても目を合わす事もなく、普段よりも投げやりな言葉を返される始末で、途中からはお互い黙ったまま店へと向かうことになった。




ズカズカと、あからさまに機嫌悪いですといった態度でファミレスへと入って行ったアキラを追うように入店して早30分。
運ばれてきた食事に手をつけたはいいが、やはり気になる痛い視線。

「…なぁ」

「…………」

声を掛ければ先程まで向けられていた鋭い眼は伏せられ、スプーンで掬ったオムライスが口へと運ばれていくだけで押し黙られてしまう。
これは明らかに俺に対して怒っている。そう感じた俺は小さく息を吐いた。

ならば彼をここまで怒らせた原因はなんだろうか。
瞬時に今朝へと思考を巡らせてみるが、朝はわりと機嫌が良かったのを思い出す。
寝ていたアキラを起こして微睡む彼の頬へ出勤前のキスをして部屋を後にした。
あの時のアキラはまだ完全に覚醒はしていなかったけれど、はにかみながら“いってらっしゃい”って送り出してくれたし………ならば電話?いやいや、あの時も外食をしようと提案した俺に返された返事は少しだが嬉々の色が窺えた。

今日1日の自分の行動を振り返り、原因は俺の知らない空白の時間に何かあったのではないか、という考えに至ったのだった。


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