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俺の恋人はあまり喋らない。
口を開いたとしても、それは簡素でとても短い言葉で終わってしまう。

目は口ほどに物を言う、とは彼のためにある言葉なんじゃないかとさえ思うほどに



現在俺は恋人であるアキラと向かい合うようにして座っている。
その彼に射抜くような視線を向けられてから、どのくらい経っただろうか…



日興連とCFCの戦争が終わり、大分住みやすくなった街は活気づいていた。たまには外で食事もいいんじゃないかと、最近買った携帯片手に電話をしたのは3時間程前。
お互いバイトをしていて、アキラは飲食店で俺は服屋で働いているのだがなかなか休みも取れず、取れたとしても噛み合う事がない。
そんな今日はバイトの上がりが同じ時間帯だった上、俺の給料日でもありささやかではあるが外食をしようと思いついたのだ。

少し遅れるけどそれでもいいかと訊ねてくる彼に待ち合わせ場所を指定して、通話を終了した俺は後輩に指摘された。

「アオイ先輩、何かイイ事でもあったんスか?か・お、ニヤけてますよ」

自分の頬を指差しながら後輩は意地悪い顔をして笑っていた。
俺は苦笑して整えられた髪をぐしゃぐしゃに乱してやる。
ブーブーと嘆き混じりの文句を背に受けながらロッカールームを後にした。


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