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三擦り半……いや、それじゃちと可哀想か。
でもまぁ、イヴァンちゃんが早漏だってのはここにいる幹部全員、理解した。

「ホラ、ジュリオ…お前の番だぞ」

ズボンを引き上げ満足げな表情で戻ってくるイヴァンを見ながら、俺はジュリオの肩へと手を乗せた。
するとビクンと大袈裟なほど身体を跳ねらせ、頭を振る。

「いえ…俺、は……」

「あー…何で?せっかくだし処理してもらえよ」

「オラ、次誰だよ」

俯くジュリオにそう告げると後ろからイヴァンの声。
後がつかえてるから早めに切り上げただの言ってるが、余裕なかったのはここにいる全員が分かる事だっつーのに、このアホは……

「ぁ…ぅ……お、俺ッ」

ワオ…顔真っ赤にして、つまり…そゆこと。なるなる、納得だワ。

俺はジュリオを立たせると背を押して茂みから追い出した。
口パクで男になってこいと告げてやると、ジュリオは渋々といった感じで女の元へと向かっていった………



ジュリオ side


ジャンさんに背を押されて茂みを出ると、血のニオイが少し濃くなった。
血の、ニオイ………
今手元には小さな鉛筆削り用のナイフしかない…それに、ジャンさんはこの人を抱きたがっているようだから新たな傷をつけるわけにもいかない。
そう考えを巡らせながら歩いていると、いつの間にか目の前まで来ていた。
彼女は荒い呼吸をしていて、頬は上気したように朱色に染まっている。
綺麗な身体だと、思った。
きっとこの肌には赤が似合う、と。
屈んで手を伸ばし、滑らせるように頬、首筋、胸、脇腹へと指で撫でていく。

「ん……っ…ハァ、ぁッ」

「すみません、俺…やり方よく、分からなくて…」

「初めて、なの?…ンッ……さっきの人たちみたいにすれば…いい、から」

「はい………ぁ、血…っ」

言われた通りにしようと膝を割った瞬間、仄かに香る血のニオイに、誘われるまま舌を這わせた……



ジャン side


ハジメテの割にジュリオはしっかり前戯をしていた。
身体を愛撫してクンニ……ピクピクと彼女の身体が小刻みに震えるように跳ねるトコロを見ると感じているようだ。
顔を上げたジュリオは口周りに付いた愛液を舐めとると小さく数度頷き、ぎこちない手付きで自身を取り出して緩く扱く。
初めての性行為でスマートに進められちゃうなんてさすがイタリア男子。
なんて感心しちゃったわジャンさん。


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