4/1


日付が変わり時計の針は24日になったと告げていた。
だがジャンカルロ……CR:5の2代目カポはデスクに向かい筆を走らせていた。
昨日はイヴァンの誕生日だと、日付が切り替わったと同時に宴だなんだと慌ただしくルキーノが手配した店でドンチャン騒ぎをした。

そのおかげで彼は執務に追われるハメになっているというわけだ。


「…ったく〜、今日はクリスマスだってのになんでカポはこうも忙しいかねぇ」

「それはジャンが“カポ命令だ仕事は後、イヴァンの誕生日を祝うぞ”…って意気込んでハメを外したのがいけないんじゃないかい?ハニー」

やっつけ気味に筆をカリカリと力強く走らせながら、それと同等に感情を込めるよう呟いた独り言に返事があり、ジャンは忌々しめにその人物へと視線を向ける。
じとっという視線を受けた人物、ベルナルドは困ったよに苦笑をすると持っていた書類に目を通しながらソファーへ足を進めていく。
その姿を目で追っていたジャンは息を吐いてまた山積みの書類へと手を伸ばした。

今現在、この室内にはベルナルドとジャン以外誰もいない。
ルキーノはシノギ、イヴァンはカヴァッリ顧問との食事会、ジュリオは2〜3日前から出張に出ていた。
他の兵隊たちも各々の任務についていて、この室内にはたまにベルナルドの使いが書類などを持ってくるくらいだ。

つまり自分の仕事を部下に割り振ったベルナルドはジャンの見張りをするため、この部屋にいるというわけだ。
なんという迷惑な話だ、ジャンはそう思うが自身に脱走癖があるため、仕方ない処置だとも分かっている。
昨日の逃げがツケとして回ってきた、もう一度ため息を漏らして書き慣れてきた自分の名を書き入れていった。




[ 1/4 ]

[*prev] [next#]


[mokuji]
[しおりを挟む]



「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -