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「……あの、さ…誰にも言わないから離してくれないかな…ジャン?」

完璧誤解しているらしいアオイの腕に引っ付いたまま隣に腰掛ける。
俺とベルナルドに挟まれて座るアオイはどうにも居心地悪そうな顔をしていた。

「心配だなぁ…俺とジャンが出来てるなんて、最高のスキャンダル」

「ベルナルド!余計に誤解すんだろ!?…アオイ、違うからな?」

ニヤリと笑んだベルナルドがアオイをからかっている。
アオイは俯いているから分からないだろうけど、これ以上アオイが誤解して拗れたりでもしたら……
そう思うと気持ちがそのまま顔に出てしまった。

「おやおや、そんなに必死にならなくてもいいじゃないか、ジャン」

「お前…、」

「頼むから離して、俺用があるんだ…また後で、ね?」

苦笑しながら俺の腕をやんわりと払いのけて、アオイは立ち上がる。
なんだかそれが、俺たちの関係を一瞬にして崩すように見えて俺は怖くなった。
去っていく靴音をただ聞いて、震える手を握り締める事しか出来ない。

「……悪かった、少しやり過ぎた」

「当たり前だろ!」

「後で俺から説明しておくから、そう落ち込むな」

アオイはお前を嫌いになったりしないよ、そう言って肩を叩くベルナルドに少しだけホッとする。
後で俺からも説明すれば、きっと大丈夫。
それにアオイが言ってた用って、たぶん脱獄に必要な事だろう。
それなら俺も今出来る事をしておこう。

「…あのさ、ウチってGDとガチンコしてたんだよな?」

「それがどうした?」

「……特別なこととか、あった?」

そこから表情を消したベルナルドは淡々と話してくれた。

二年前の抗争はどちらも引けずに避けようがなかったらしい。
ファミリーだけではなくカタギの人たちにまで犠牲者が出て、双方手打ちで矛を収めたらしいが…水面下では今も恨んでいる奴がいるに違いない。

ジュリオは毎日のようにGDから送られてくる刺客を端から血祭りに上げ、その功を認められて殺された幹部の後釜に据えられたらしい。
その頃街の悪ガキ共を纏めて台頭してきたのがイヴァンで、CR:5とGDのどっちが優勢がギリギリまで見極めた上でウチに合流した、と。
ルキーノの事は傷モノらしいから本人に聞けと言われたが―………

なぁ、ベルナルド

お前自分のこと話してねーぜ?何もなかったとも思えね―………どうして?

そんな疑問を抱えながら、俺はベルナルドの元を去った。






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