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「ロウソク、ね……探してみるわ、ダーリン」

「うん、宜しく頼むよハニーちゃん」

「ハハッ!…さて、お互いの情報交換は終わったし…もう少し散歩でもするか?」

お互いの今持っている情報、武器、道具をざっくり、説明織り交ぜて話終えた俺たちは少々手持ち無沙汰。
けど、俺もうちょいアオイちゃんといたかったり、するんだよねぇ〜。

「そうだ、ねッ…ぅわぁ!!?」

「アオイッ!?…て、あんた…ルキーノ!!何やって…」

隣を歩いていたアオイが突然つんのめって視界から消え、慌てて振り返るとアオイの肩に腕を回してニカッと笑うルキーノの姿があった。

「悪いな、ちょっくらコイツ借りるぜぇ」

「って、まだいいなんて言ってねぇっての!こらルキーノ!……って、行っちまいやがった…クソ」

そして俺は一人になった…





扉を開いて渡り廊下に出た俺は、そこのベンチに腰掛けるベルナルドの姿を見つけて肩を叩く。

「ジャン、顔色悪くないか?」

「おう……ルキーノにダーリン攫われちゃって」

「フハハ、俺というものがありながらハニー、堂々と浮気暴露かい?」

「ふふ、あっちが本命よ」

「こりゃ参ったな」

笑うベルナルドに背を預けて例の件はどうなってるか訊ねてみたが、見当たらないらしい。
スパイがいる、なんて取り越し苦労だったか?

「そっか、頼んどいた例の根回しは進んでる?」

「あぁ、脱獄した後のことは任せとけ」

やったね、とピースサインにピースで返して、他の幹部とはどうだと訊ねてきたベルナルドに個別の感想を述べていく。

「アオイとも上手くやってるみたいだしな」

「それに関しちゃ相思相愛、ラブラブよン」

「妬けるね」

その瞬間、ふわりと香った葉巻の薫りに後ろへと手を伸ばした。

「……タバコ、疲れた俺に癒やしの高級タバコ、一本くれ」

「ほらよ」

口元へ持ってこられたシガレットをくわえ、そっと顔を近づけていく。
ベルナルドの葉巻の火種にそれを押し付けて吸い込めば、チリチリと音を発てながら紫煙を昇らせた。
美味い、相変わらずベルナルドは良い葉しか喫わねぇ

そこで気付いた建物の後ろから伸びる一つの影を見つけ、ベルナルドの肩を叩いてウィンクをひとつ。
メガネの柄をツー…と指で撫でたのを確認してベルナルドへと手を伸ばした。

「サンキュ、ベルナルド…愛してるぜ?」

「ハニーのお前の望みとあらばお安い御用さ」

「随分ご無沙汰してるよな…なぁ、このままここで……」

「大歓迎だよ、ハニー」

首へと腕を回して引き寄せるようにしてベンチへと横たえれば、物陰からドンガラガッシャンともの凄い音がして、ベルナルドが俺の手からタバコを受け取る。

「で?下手な芝居の観客は誰だったんだ?」

「イヴァンが覗いてた、こすっからい男だぜ…………ありゃ誤解したな」

「フ、ハハ!」

「え…ジャ、ン…と、ベル、ナルド…?」

笑っていた俺たちの耳に声が届く。
振り返り見て見ればそこに―………アオイが立っていた。

え―……?
もしかしなくてもこっちも誤解しちゃってますのコトぉ―……!?




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