2013/01/28 05:04

表の続き!

今までは何とも思わなかった客との交わりも、嫌でしょうがないのだけれどこれが仕事で、籠の鳥な俺はこうするしかないって自嘲するの。
毎日毎日、この部屋からあの名も知らぬ青年が今日は通らないだろうかと下を見下ろしてるジャン。

そんなある日ジャンは上玉の客が現れた!って言われて、部屋に入ってきたのはジュリオで、ただただ驚いて目を丸くするの。
その日は何をするわけでもなく、数回言葉を交わすだけで終わって、また来ますって言葉を残して去っていくジュリオ。
それから何度も通い続けるジュリオと、口数も増えてきて、身体を繋げる事もせず楽しい談笑。
けれどジャンはそれ以上を望むようになるの。
触れ合いたい、キスがしたい、他の男じゃなくジュリオと……もっともっとジュリオと深く繋がりを持ちたい、って。

そう思ってた矢先、やってきたジュリオは暗い顔をしていて沈黙。
『お爺様にこの事が知られてしまい、来る事が出来なくなるかもしれない』
そう悲しそうに呟いたジュリオを引き寄せて、ジャンは思い出が欲しいって、一夜限りの相手でいいからとジュリオを求めるの。
温かくて嬉しくて、でももう触れ合う事が出来なくなると思うと寂しくて切なくて……恋をして初めて自分が汚く感じて涙して……
情事後ジュリオを胸に抱いて微睡んでいるとこにお爺様が乗り込んで来て、ジュリオを強引に連れて帰ってしまうの。

それからジュリオが遊廓に来る事がなくなって数週間。
ジャンは隣町のおじ様に身請けられるの。
やっと出られたとおもったら、ただ別の鳥籠…今度は今より頑丈な鳥籠で飼われるのか…ってジャンは思うんだけど、気持ちだけは自由に、ジュリオだけを想っていくって決心して迎えを待つの。
すると屋敷が騒がしくて何事かと階を降りてみると、髪も息も乱したジュリオがお供を連れてそこに立っていて、ジャンを買ったおじ様と女将に大金を押し付けちゃうの。
『これで文句は言わせない。あの人は俺が連れて行きます』って、絶対買うとか言わないの。
ジャンは頬を濡らしながらジュリオに連れられて屋敷の外に出るの。
これからはずっと一緒にいられるって、手を強く握りあって微笑み合うの。

遊廓編はここまで。
読んでいただきありがとうございます(*´∀`)
出来れば小説か漫画の薄い本にしようと思います。ボン爺はこの後行方不明になりジュリオは2人のお供とジャンさんとの4人(その他使用人)で生活する予定。
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