「………。」
「………。」
「………。」
「いや、お前ら何か喋れよ。」
「す、すみません!」
離すタイミングが掴めずに無言でいた私と、反応せずに立っていた白鳥先輩。
そんな私たちを見兼ねてか、声をかけたお兄ちゃんに反応した私がバッと離れる。
「おーおー、お前ら2人とも真っ赤だなー。」
「「!!」」
「犬飼先輩もこんな反応してくださいよー。」
「お前相手じゃなぁ。」
「むっ、子ども扱いですか!」
みやことお兄ちゃん恐るべし。
なんだかいたたまれなくなって、白鳥先輩を見上げた、ら。
「! あ、」
「わ、悪ぃ!」
バチッと目が合ってしまい、お互いそらす。
そらしてから、少しだけ泣きそうになった。
ねぇ、先輩。
「悪ぃ」って、どういう意味ですか?
(「(悪気はない、ってわかってるのに。)」)
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