「こんにちは。」
「うぉ?!」
見知った後ろ姿を見付けたので、小走りで近づいて声をかける。
と、すごく驚かれた。
その声に私がびっくりしました。
「……なっ、なんだ、犬飼妹か…。」
「すみません、驚かせる気はなかったんです。」
「あ、いや!
声、かけてくれたのすっげぇ嬉しかったし……その、うん。」
赤く染めた頬を軽く掻く白鳥先輩。
男の先輩なのに、なんだかすごくかわいくて。
「わ、笑わなくても、」
「ふふ、ごめんなさい、つい。」
思わず漏れた笑い声に、更に赤くなる白鳥先輩。
お兄ちゃんとは違う、あたたかい時間がくすぐったくて心地好い。
「あ、やべ!
俺、次の授業は移動なんだ!」
「す、すみません、呼び止めてしまって…!」
「いーって、いーって!
また、声かけてくれる?
俺も見かけたら声かけるし!」
「! はい、もちろんですよ。」
私の返事に満足したのかわしゃわしゃと頭を撫でたあと走って行った。
「宮地に怒られるー!」とか叫んでるけど、やっぱり大丈夫じゃなかったんじゃ…?
(「っ、セーフ!」)
(「…お前は……セーフやアウトの問題じゃないだろ!」)
(「げっ、結局お叱り受けるのかよ!」)
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