「ハッ、隆文先輩がいない!」
「あ、あやめちゃんもいない!」
「大変だ、2人が迷子になってる!」
みやこの提案で町にきたのに、はしゃぎすぎたみたいだ。
ハッとしたみやこの声に周りを見れば、近くにいると思ってたあやめちゃんの姿が見えない。
とりあえずこれ以上迷子を出しちゃいけないし、みやことははぐれないようにしよう。
あやめちゃんが心配だけど、犬飼もいないからたぶんあやめちゃんと一緒にいてるだろう。
ていうかいてくれなきゃ困る。
「隆文せんぱーい!」
「ちょっ、何してんだみやこ!」
「え、だって目立った方がいいかな、って思ったから…。」
落ち着いて考えれば、みやこもパニックで言ったのがわかる。
でも、そのときの俺もパニックだったから、と思いたい。
「そうか!
あやめちゃーん!」
「隆文せんぱーいっ!」
みやこと一緒に騒いだ。
それがみやこが犬飼を見つけるちょっと前の話。
(「迷子になるなら迷子になるって言ってくださいよ!」)
(「お前らが迷子だったんだよ、ばか!」)
(「これからは、あんまりはしゃぎすぎないようにしてくださいね?」)
(「すみません…。」)
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