「失礼しまーす……、って開いてるし…無用心だなぁ…。」
お昼休み。
こっそり学校を抜け出して犬飼先輩の部屋に向かう。
あやめにも何も言わなかったけど、たぶん察してくれるよね、うん。
「あ、寝てる。」
少し躊躇いながらも部屋に足を運べば、ベッドで眠る先輩を発見。
ていうか、部屋が思いの外片付いてる。
あやめが片付けてるのかな?
「……ふは、寝顔かわいい。」
ベッドの側に行ってみたら、よく先輩の寝顔が見える。
メガネ外すだけで結構変わるのに、目を瞑ってるから余計に変わってて。
「……ん、」
「あ、先輩おはようございます。」
「…………、」
「……先輩?」
「………………は?」
たっぷりの間を開けて先輩の口から出た言葉。
それよりも、先輩は見えないからかもしれませんが、眉間にシワ寄ってて怖いです。
(「おまっ、学校は?」)
(「自主早退です!」)
(「戻れ、バカ者っ!」)
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