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「あ、みやこ!」

「あやめ、どしたの?」


朝、教室であやめがくるのを待ってるといつもより遅い時間にあやめがきた。
そういえば、今日の朝練に犬飼先輩いなかったなってふと思い出す。


「あのね、お兄ちゃんが熱出しちゃったの。」

「ありゃ、犬飼先輩が?
明日は槍降るんじゃないかな?」


びっくりした。
でも、それを隠して戯けてみせる。
もうほとんど反射みたいなやつだったんだけど、あやめの顔が曇った。
初めは自分の兄をそう言われたのがイヤだったのかと思ったけど、ちょっと様子が違う。


「みやこ、心配なのはわかるけどね、素直にならなきゃダメだよ?」

「え? 何のこと?」

「……ううん、なんでもないよ。」


真剣な顔をしたと思えばパッと元に戻るあやめ。
ほんとこの兄妹、ちょっと鋭すぎやしない?

それからあやめと先生がくるまで話して。
授業始まったけど、幸い場所的に先生の死角だからそっと携帯を開く。
そこからメールを作成して送る。
もちろん、犬飼先輩に。





(「(ほんと、素直じゃないなぁ…。)」)




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