「会長ううううう!」
「ぅおっ!」
またいつもの衝撃。
慣れたから倒れはしないが、毎度毎度突然すぎて驚く。
ただ今日のがいつもと違ったのは、頭をグリグリと俺の背中に押し付けてきたことか。
「なんだ、今日はヤケに甘えるんだな。」
「うー」
「ほら、前にこい。」
喋る気はないのか、唸り声だけをあげる莉羽に、とりあえず前に移動させてぎゅっと抱きしめてやる。
いつも元気すぎるくらい元気なやつだから、少し心配になった。
「どうした、誰かに何かされたか?」
「うー」
「ホームシックか?」
「うー」
「………。」
わからん。
こいつが何考えてるのかさっぱりだ。
とりあえず未だに頭をグリグリしてるから、気が済むまで甘やかしてやるとしようか。
(「……すみません。」)
(「ん? もう落ち着いたのか?」)
(「はい、ありがとうございます。」)
(「……おぅ。(……大人しすぎねぇか…?)」)
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