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「颯斗先輩っ!」

「おや、莉羽さん。」


移動教室の帰り道、ばったり颯斗先輩と遭遇。
颯斗先輩はちょっと怖いけど、美人さんで優しいから好き。


「あ、そうだ!」

「どうしましたか?」

「これ、会えたら渡そうと思ってたんです!」


ズイッと差し出すのは、昨日会長がサボってやらなかった仕事。
別に会長じゃなくてもできるものだったから、持って帰ってパパッとやってきた。


「ふふっ、ありがとうございます。
莉羽さんがいると、随分僕の負担が減ります。」

「えへへ、お役に立てたならよかったです!」

「会長や翼くんも、これくらい働いてくれればいいんですけどねぇ…。」

「でもでも、会長は会長でがんばってますよ?」


思わず会長を庇えば、颯斗先輩は一瞬驚いてからふんわり微笑んだ。
う、お……まじ綺麗…!


「ふふ、莉羽さんはほんとに会長がお好きなのですね。」

「え、も、もちろんですよ!」


見とれていたから、少し吃ってしまったけど。
力強く肯定した私に颯斗先輩はまた微笑んだ。





(「ふふっ、じゃあがんばってくださいね?」)
(「がんばります!」)
(「応援、させていただきますね。」)
(「颯斗先輩まじいい人、です…!」)




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