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どのくらい莉羽を抱きしめてたんだろうか。
自覚した瞬間、こうして莉羽に触れたくて仕方なかった。


「……なぁ、莉羽。」

「は、はい…、」

「好きだ。」

「え…?」


ムードも何もない、するりと口から漏れていた言葉に莉羽がぴしりと固まった。
なんだかそれが笑えて、思わず小さく笑う。


「か、からかったんですね!」

「からかってねぇよ。」

「でも、だって!」


真っ赤な顔で必死に話す莉羽。
俺のことで、こんなに必死になる姿はものすごくかわいい。


「お前は俺の言うことが信じられねぇのか?」

「そ、そんなことは!」

「じゃあ信じてくれ。
俺はお前が、莉羽が好きだ。」

「……っ、ほんとに?」

「あぁ、神にだって誓ってやるさ。」


ニッと口角を上げて言えば、今にも泣き出しそうな莉羽。
ったく泣き虫だな、こいつは。


「わた、私も、会長が好きです…!」

「あぁ。」

「大好きなんです…!」

「知ってるよ。」


泣きながらも自分の気持ちをまっすぐ伝える無防備な唇に、そっと口づけてやる。
もう莉羽は俺のだ。
絶対離したりしない。





(「っ、今…!」)
(「もっかいしてほしいのか?」)
(「うっ……はい…。」)
(「…仰せのままに。」)




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