「……会長、なんかすごく機嫌悪いね。」
「そうですね……莉羽さんはやたらと会長を気にしてますし、何かあったんでしょうね。」
今まで仕事はきっちりやっていた莉羽さんも、どうやら今回は仕事も手につかないらしい。 かわりに会長が仕事をがんばってくれているのです、が。
「ぬははっ、ぬいぬいの眉間、まるで武士みたいだぞ!」
「つっ翼くん!」
「ぬぬ? どうしたのだ、書記?」
「ちょっとこっち!」
空気が読めないのか、空気を読まないのか。 とにかく爆弾を軽々と投下する翼くんを、月子さんが引っ張ってこちらに連れて来る。
「何するのだー!」
「翼くん? あなたはもう少し周りをみて行動するということを学んでください。」
「ぬぬっ、そらそら怖いのだ…。」
しゅんと大きな体を小さくする翼くん。 ふと会長をみれば、さっきよりシワが深くなったような。
「会長、ますます不機嫌だね……。」
「ほんとだ!」
どうやら月子さんも、同じことを考えていたらしい。 僕は返事の代わりにため息をついた。 翼くんの発言にはいろんな意味でため息つきましたけど。
(「はやくなんとかならないかなぁ…。」) (「こればかりは当人同士の問題ですからね…。」)
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