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最近、会長がぼーっとすることが増えてる気がする。


「僕もそう思います。」

「だよねー……なんかあったのかなぁ?」

「わかりませんが、最近莉羽さんも大人しくなりましたよね。」


颯斗くんの言葉に大きく頷く。
抱きつくのが減った、ってわけじゃないんだけど……こう、ただぎゅうってしてるだけっていうかなんていうか。
とにかく、前より大人しい。


「もしかして会長、寂しいんじゃ…?」

「ありえますねぇ。
自覚はないんでしょうけど、莉羽さんのことをかなり気に入ってるようですし。」


颯斗くんはそう言って困ったように笑った。
私もきっと困り顔をしてるんだと思う。
だって、莉羽ちゃんは寂しさを紛らわす勢いで仕事をしてくれるけど、会長は机の上に仕事を増やすばっかりで。


「お仕置き、した方がいいんですかねぇ…。」

「……ちょっと悩み所だよね…。」


とにかく私たちは、はやく2人がうまくいくのを願うしかなさそうだ。





(「ぬは、ならこの“お願い、恋を叶えてマシーン1号”で、」)
(「これ以上僕たちの仕事を増やすようなら、研究費は出しませんよ…?」)
(「ごめんちゃい!」)




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