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「あ? 慈雨?」

「悪いけど泊めて。」

「はぁ?
まぁ、いいけどよ。」


一樹さんに捨て台詞を吐いて逃走後、幼なじみの隆の家に行く。
1人暮らしをしているヤツの部屋は、半ゴミ屋敷と化していた。


「お前、不知火先輩はどうしたんだよ?」

「あぁ?」

「……いや、なんでもないでーす。」


キッと睨んで言えば、両手をあげて視線をそらす隆。
ああもう、忘れたくてきたのに意味ない。


「台所借りる。」

「おー、じゃあ俺のも作ってくれー。」

「わかってるわよ。」


イライラした気分のまま言えば、いつもの軽いノリで言う隆にため息をつきながらも頷く。
はぁ、やっぱこいつのとこ来てよかったかも。
変に腫れ物扱いしない隆に感謝して、キッチンに向かう。


とりあえず、ご飯作って食べて、この半ゴミ屋敷をなんとかしよう、そうしよう。





(「んまー、やっぱお前の料理はサイコーだわ!」)
(「ありがと。 あ、あとで部屋片付けるから食べたらお風呂入ってね。」)
(「んー、りょーかい、りょーかい。」)




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