あのあと、犬飼ん家から無事に慈雨を奪還(?)した。
ちなみに、なんで犬飼ん家に行けたかというと、誉のおかげだ。
今でもちょくちょく会ったりするらしい。
で、入れたのは桜士郎のおかげ。
何故あいつが犬飼ん家の合い鍵を持ってるのかはきっと気にしたらダメなんだ、うん。
とまぁ謎は解けたところで、だ。
「じゃあ、改めて。」
「はいっ!」
「俺と結婚してくれ、慈雨。」
「っ……喜んで!」
今までのなかで1番の、とびっきりの笑顔で言う慈雨を抱きしめる。
あー……幸せだ、どうしよう。
「一樹さん、」
「なんだ?」
「私、幸せだよ。」
同じことを考えてたのかと、それだけで口角があがった。
俺は慈雨の唇にキスを落として、慈雨の顔を覗き込む。
「俺も、幸せだ。」
そう言って慈雨と笑い合った。
さぁ、これからが大変だな。
それでも、やっぱり楽しみだと感じるのは慈雨のおかげだ。
(「まずご両親に挨拶に行かねぇと。」)
(「ふふ、そうだね。」)
(「あー……なんか今から緊張してきた。」)
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