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「金久保先輩!」


3年西洋占星術科の教室を勢いよく開ける。
女子が珍しいのかかなり注目を集めてるけど、気にしない!
私には重大な任務があるのよ!


「こんにちは、名前ちゃん。」

「金久保先輩、こんにちは!」

「ふふ、今日はどんなご用かな?」


くすくす笑う金久保先輩に、ズイッと持っていた袋を押し付ける。
しばらくの間ぽかんとしていた金久保先輩だったけど、状況を理解したのかすんなり受け取ってくれた。


「バレンタインかな?
ふふ、ありがとう、名前ちゃん。」

「い、いえっ!
お口に合えば嬉しいのですがっ!」


恥ずかしくて顔が見れずに、俯いたまま話す。
失礼だと思うけど、今日くらいは許してほしい。
そんな私の願いはあっさりと打ち砕かれたんだけど。


「顔あげて?」

「だ、ダメです。」

「うーん……だったら仕方ないね。」


そんな声と共に、スッと頬に両手が添えられ、強制的に上を向かされる。
あ、あれ……近くないですか?


「ふふっ、名前ちゃんの顔、真っ赤だね?」

「かかかかかか金久保先輩?!」

「ふふ、なぁに?」


近いです、って言おうとしたのにできなかった。
なんでって?
金久保先輩が私のおでこにちゅーしたから!


「「「「ぎゃああああああああああ!」」」」

「っ、金久保先輩…!」

「ふふ、かわいい。」


外野の悲鳴を総スルーして、間近で笑う金久保先輩。
自分のことで手一杯だった私は、側で写真を撮って号外を出そうと目論んでいる白銀先輩に気付けなかった。



敵わない
(「ふふっ、よく撮れてるね。」)
(「そこ、感心するとこですか?!」)




*桜さまに捧げます。


甘い、のか?
ギャグっぽいなんだかよくわからないものになりました、すみません…。
もし気に食わないようなら返品、書き直し受け付けてますので!


桜さまのみお持ち帰りください。

バレンタイン企画へのご参加、ありがとうございます!




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