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※等身大の番外編です。













そう言えば、次の日曜は名前の誕生日だったっけ。
付き合いだして初めての誕生日だし、せっかくだから思いっきり喜ばせてあげたいなぁ…。


「梓くん?」

「あぁ、名前。
ちょうどいいとこにきたね。」

「なぁに?」

「今度の日曜、僕は部活休みだしデートしよっか?」


僕の言葉に嬉しそうに頷いた名前。
よし、約束は取り付けた。
あとはプランを考えなきゃな。


とにかく、どうやって名前を喜ばせるかなんだよね。
名前はなんでもかんでも喜ぶから逆に困る。
でもあんまり豪華すぎるの苦手って言ってたし、シンプルにまとめるべき?
でもせっかくの誕生日なんだから華やかさも必要な気がする。
だからって名前にムリはさせたくないしな…。


「どうしたもんか。」

「ぬぬっ、どうしたのだ梓?」

「あぁ、翼。」


考えながら歩いているとくまったくんを飛ばして遊んでいる翼に出会った。
翼いわく、遊びじゃなくて実験らしいけど、僕からしたら遊んでいるようにしか見えない。
って話がそれた。


「ちょっと考え事だよ。」

「ふーん……あ、そういえばそろそろ名前の誕生日だな!」

「あぁ、だからそのこと考えてたんだよ。」


僕の言葉に顔を輝かせる翼。
嫌な予感しかしないんだけど?


「なら、俺の発明したこの、」

「却下。」

「まだ何も言ってないのだ!」

「聞いても聞いてなくても答えは変わらないから。」


ため息をつきながら言えば、口を尖らせる翼。
そんなとき、背後から高笑いが聞こえた。
また嫌な予感しかしない。


「話は聞かせてもらったぞ!」

「ぬいぬい!」

「……めんどくさいのが出てきた。」


ドヤ顔の先輩にまたため息が漏れる。
この辺に青空先輩いないのかな。
いたらこの2人どうにかしてほしいんですけど。


「名前ちゃんの誕生日、私もお祝いしたい!」

「え?」

「そうですね、僕も賛成です。」

「書記にそらそら!」


先輩を追ってきたのか、どこからともなく現れた2人の声に驚いた。
ここにいることもそうだけど、話がよくない方に向かっていってる。


「よし、じゃあみんなで盛大に、」

「ちょっと待ってください!」


マズい方向に話を締めくくられそうになる手前。
少し大きめの声で待ったをかける。
みんなでなんて、冗談じゃない。


「名前の誕生日は僕がいただくんです。
他の方はその次にお願いします。」


それだけ言ってお辞儀をしてからその場を離れる。
可愛がられるタイプだと思ってたけど、まさかこれまでとは、ね。

何がなんでも僕が1番だって思わせるプランを考えようと、再び思案する僕だった。



僕が1番
(「今度のデート、楽しみにしといてね?」)
(「え? う、うん…?」)



*65000hitを踏んだ、匿名さまに捧げます。

誕生日……あんまり関係ない話に…なんか梓くんが独占欲丸出しですし…。
書き直し、受け付けてますので!

匿名さまのみお持ち帰りください。




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