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無邪気でかわいい後輩は、彼氏になった途端に手のひらを返したように意地悪になりました。
……なんで?


「ねぇねぇ、翼くんー?」

「今は発明で忙しいのだ。」


いやいや、そうじゃなくてね。
発明で忙しいのは充分わかってるよ。
こっちに目すら向けてくれないもんね。
じゃなくて。


「じゃあ私帰るから、」

「どうやって?」


やっとこっちを向いた翼くんは、あの無邪気な笑顔を浮かべる人とは思えない顔をしていて。
私はムッとしながらも、スッと腕を出す。


「だからこれ外してって言おうとしたの。」

「ぬはは、それを本気で言ってるなら名前はバカだな!」


翼くんのネクタイでぐるぐる巻きにされた腕をぶんぶん振りながら訴えれば、至極楽しそうな声が返ってきた。
でもね、私は仮にも彼女にこんなことする翼くんの方がバカだと思うんだけど。


「そんな目しても外してやらないぞ?」

「ちょっと待って、なんでじりじりこっちきてるの?」

「なんで、って…構ってほしいんだろ?
……つーかまえた。」


もともと手が不自由なんだから大した抵抗もできずに捕まってしまう。
確かに意地悪になった翼くんだけど、こうしてぎゅってされると落ち着くのは前とかわらなくて。


「発明はいいの?」

「うぬ、今から名前をいじる……じゃなくて、構うからな!」

「ちょっと待って、離して!」

「いやだぬーん!」


前言撤回、ちょっとだけハラハラする場所になりました。



かわったこと
(それでもやっぱり、私の居場所はここなんだと思う。)



*鬼畜……ではないね(オイ
ネクタイって単語を出したかっただけとかそんなんじゃないよ!
なんだかんだ翼くんはヒロインをそばにおいておきたかったんだよ、きっと。

涼のみお持ち帰りください。



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