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木ノ瀬先輩は、私の憧れで。
その背中に恋をした。


「なーに見てんのさ、名前。」

「わ、き、木ノ瀬先輩!」


私の前に立った木ノ瀬先輩に、自然と背筋がピンと伸びる。
そんな私に、先輩は綺麗な笑顔でこう言った。


「やる気あるの?」

「もちろんです!」

「の割に、怒られるの何回目?」

「返す言葉もございません…。」


私の言葉に木ノ瀬先輩は深いため息を漏らした。
そんな顔、させたいわけじゃないんだけど。
私は月子先輩みたいに、木ノ瀬先輩を笑顔にできないのかな。

そう思うと、悲しくなった。


「ちょっと、聞いてる?」

「聞いてますよー」


私の返事が気に入らなかったのか、また綺麗な笑顔を浮かべる先輩。
あ、ヤバい、って思ったときにはもう遅くて。
逃げようとした私の腕を掴まれたと思えば、こめかみをグリグリされる。
地味に痛いんだよ、これ…!


「あいつら、仲いーよなー。」

「羨ましいですー…」

「なんで木ノ瀬だけ…!」


痛みにばかり気がいっていた私には、3バカの先輩たちの声なんか聞こえなくて。
それから、それを見て満足そうに笑う木ノ瀬先輩にも気づかなかった。




一方的な両想い
(「な、何の恨みがあって…!」)
(「……鈍感にもほどがあるよね…。」)
(「? 何か言いました?」)
(「なーんにも?」)


*柚木さんに、相互記念に捧げます。

……なんでこうなったんでしょうか…。
書き直しはいつでも受け付けてますので!

柚木さんのみお持ち帰りください。



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